ビヤーサ(読み)びやーさ(英語表記)Vyāsa

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビヤーサ」の意味・わかりやすい解説

ビヤーサ
びやーさ
Vyāsa

古代インドの神話的聖者。サンスクリット語ビヤーサは元来は編者意味で、どこまで特定の個人をさすかさだかではないが、一般にはベーダ聖典の編者ベーダ・ビヤーサのことをいう。叙事詩マハーバーラタ』や諸プラーナ(古譚(こたん))などの編者およびベーダーンタ学派開祖で『ブラフマ・スートラ』の著者と伝えられるバーダラーヤナも、ビヤーサと同一視される。しかし、これは作品の権威を高めるためにそうされたのであろう。

[島 岩 2018年5月21日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ビヤーサ」の意味・わかりやすい解説

ビヤーサ
Vyāsa

インドの伝説的聖仙。ビヤーサとは「編纂者」の意。ベーダ聖典の編纂者,叙事詩『マハーバーラタ』の著者とみなされ,また叙事詩自体のなかにも重要人物として登場。バラタ族の王シャーンタヌはヤムナー川水辺で見た少女サティヤバティーに魅せられて,妻として迎えたいと望んだが,彼女はすでに巡礼途上で出会ったパラーシャラ仙人と恋に落ち,子供をもうけていた。それがビヤーサであり,『マハーバーラタ』の英雄たちの祖父となる。

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