北大西洋西部の北緯33度、西経65度あたりに、南西から北東に連なるイギリス領の諸島。アメリカのニューヨークの南東1080キロメートルに位置する。総面積53.3平方キロメートル、人口6万3500(2001推計)。主島のバーミューダ島のほかセント・ジョージ島、セント・デービッド島、ソマーセット島、アイルランド島など、大小約150の島からなり、主要な島は橋で結ばれている。中心地はバーミューダ島のハミルトン。気候は温和、湿潤で、年降水量は1500ミリメートルである。
1503年、スペイン人のジョン・バーミューダが到達し、彼にちなんでバーミューダ諸島とよばれた。1609年イギリス人のG・ソマーズに率いられた一隊が入植し、1684年以後イギリスの直轄植民地となり、1968年内政についての自治権が与えられた。対外関係、防衛、治安についてはイギリスの任命する総督が権限をもつ。任命制の上院(11議席)と選挙制の下院(40議席、任期5年)があり、下院の多数党の党首が総督の任命で首相となる。議会発足以来、統一バーミューダ党が政権を握り、野党には進歩労働党、国民自由党がある。野菜、バナナ、柑橘(かんきつ)類などの農業と漁業以外にはみるべき産業はなく、島の経済は観光収入とタックス・へイブン政策による海外保険業からの収入で成り立っている。食糧、飲料、衣料などは、すべてアメリカ、イギリス、カナダなどから輸入している。住民の3分の2は黒人またはムラート(混血)で、残りはイギリス系またはポルトガル系。公用語は英語。
[林 晃史]
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