日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヒドリガモ」の意味・わかりやすい解説
ヒドリガモ
ひどりがも / 緋鳥鴨
wigeon
[学] Anas penelope
鳥綱カモ目カモ科の鳥。旧北区北部に広く繁殖し、温帯から亜熱帯、さらにインド、スリランカにまで越冬する。淡水ガモ類に属するが、海藻を好んで江湾に群れ、養殖ノリや岸への打ち上げ物も食べる。しかし淡水湖沼にも普通に渡来する。全長45~53センチメートル。中形のカモで、嘴(くちばし)は短く三角形で青色、先が黒い。額が高い頭の形が特徴で、雄は額が黄白色、頭部は赤栗(あかぐり)色、胸はブドウ色、体には白黒の細斑(さいはん)があり、尾部は黒色、翼の雨覆部が白色。雌は全般に褐色をしている。雄の声は、ピョーという高い笛のような一声である。近縁種として、北アメリカのアメリカヒドリ、南アメリカのワキアカヒドリの計3種がある。
[黒田長久]