ヒメノカリス(読み)ひめのかりす

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヒメノカリス」の意味・わかりやすい解説

ヒメノカリス
ひめのかりす
[学] Hymenocallis

ヒガンバナ科(APG分類:ヒガンバナ科)の半耐寒性球根草。よく栽培されるササガニユリ(スペシオサ種)H. speciosa Salisb.は西インド諸島原産で、英語名はスパイダーリリーspider lily。葉は12~20枚で、長さ60センチメートルになる。夏から秋に開花する。花茎は葉より短く、頂部に9~15花からなる散形花序をつけ、その直径は20センチメートルになることもある。花は白色で、バニラ様の芳香がある。また、カラティナ種H. calathina Nicols.はアンデス原産で、葉は6~8枚、長さ45~60センチメートルで、同じくヒガンバナ科のアマリリスに似る。1花茎に2~4花つける。4月ころ、有機物に富む砂質土壌に植える。日当りでよく育ち、暖地では露地でも越冬可能である。

[平城好明 2019年3月20日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヒメノカリス」の意味・わかりやすい解説

ヒメノカリス
Hymenocallis; basket flower; crown-beauty; sea daffodil; spider lily

ヒガンバナ科ヒメノカリス属の総称。中央アメリカから南アメリカにかけて約 30種が分布する。ヒメノカリスはギリシア語の「膜」と「美しい」の2語から成り,被膜状の美しい副花冠に由来する。鱗茎から長楕円形の葉を出し,やや扁平な花茎の頂部に散形花序を形成する。黄花のヒメノカリス・アマンケス H.amancaesを除いて,花冠は白い。クモの脚のような細長い花弁をもつスパイダーリリーが最もよく栽培される。そのほかいくつかの種間交雑種が流通している。腐植質に富んだ水はけのよい用土を使って春に球根を植付け,日当りのよい環境で管理する。晩秋に球根を掘上げ,乾燥貯蔵する。

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