骨粉(読み)こっぷん

精選版 日本国語大辞典 「骨粉」の意味・読み・例文・類語

こっ‐ぷん【骨粉】

〘名〙 燐酸肥料一つ。牛、馬などの骨を粉砕したもの。燐酸カルシウム窒素などが主成分肥料として用いるほか過燐酸石灰、燐化合物などの製造原料に用いられる。骨末。
米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉二「肥培には骨粉、堆糞、及び種種製糞の場あり」

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デジタル大辞泉 「骨粉」の意味・読み・例文・類語

こっ‐ぷん【骨粉】

動物の骨を脱脂して乾燥し、砕いて粉にしたもの。窒素燐酸りんさんに富み、飼料や肥料にする。→肉骨粉

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「骨粉」の意味・わかりやすい解説

骨粉
こっぷん

動物廃棄物として食肉処理場などから出る骨を粉末処理してできる販売有機質肥料で、生骨粉、蒸製骨粉、肉骨粉の3種類がある。生骨粉は生骨を乾燥後粉末としたものであり、蒸製骨粉は生骨を蒸熱処理してから粉砕したもので、脂肪大部分が除去されている。流通している骨粉類の大部分がこれである。肉骨粉は肉を骨付きのままで蒸熱乾燥粉砕したもので、肉と骨の割合によって肥料成分は大きく変わる。日本では2001年(平成13)にBSE牛海綿状脳症。いわゆる狂牛病)問題が起きてから肉骨粉の製造・販売が一時停止されたが、その後は農林水産省で安全が確認されたもののみ流通している。骨粉はリン酸分がとくに多い肥料で、遅効的であり、おもに基肥(きひ)として用いる。土壌中での分解を早めるため、窒素肥料と併用するのがよい。

[小山雄生]

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百科事典マイペディア 「骨粉」の意味・わかりやすい解説

骨粉【こっぷん】

動物の骨を熱水処理したのち粉砕したもの。肥料,家畜・家禽(かきん)の飼料にされる。主成分はリン酸石灰,次いでタンパク質。やや高価なため肥料より飼料として用いられることが多い。
→関連項目アルカリ性肥料リン(燐)酸肥料

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栄養・生化学辞典 「骨粉」の解説

骨粉

 家畜の骨を破砕して蒸煮し,脱脂してから乾燥して粉砕したもの.ゼラチンを調製するほか,ミネラル源として飼料にする.

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