ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ビクセル」の意味・わかりやすい解説
ビクセル
Bichsel, Peter
[没]2025.3.15. ツッフビール
ペーター・ビクセル。スイスの小説家,ジャーナリスト。簡潔かつ内省的な文体,言語や憶測を強調する文体で知られた。
鉄道職員の家に生まれ,1941年以降,オルテンで育つ。1955年にゾロトゥルンの教員養成学校を卒業し,短期間の兵役を経て,1968年まで小学校教師を務めながら執筆活動を続け,のちに専業作家となる。初期の作品は前衛的なドイツ語圏文学集団から称賛され,1965年に『ほんとうはブルーム夫人は牛乳屋さんと知り合いになりたい』Eigentlich möchte Frau Blum den Milchmann kennenlernen(1964)で47年グループ文学賞を受賞した。同作は 21の短編小説からなり,ありふれた出来事を待ち望んだり,あるいはそれらについて考え込んだりする人々を簡潔な筆致で描いた。代表作に,作家の葛藤を描出した小説『四季』Die Jahreszeiten(1967),懐疑主義や認識のずれをテーマにした短編集『子どもの物語』Kindergeschichten(1969),風変わりな人物を登場させた『ノスリ──酒飲み,警察官,そして美しきマゲローネ』Der Busant: Von Trinkern, Polizisten und der schönen Magelone(1985)がある。そのほか,政府批判などを含め数多くのコラムを手がけ,新聞や雑誌に連載された。
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