ビルデルデイク(読み)びるでるでいく(英語表記)Willem Bilderdijk

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビルデルデイク」の意味・わかりやすい解説

ビルデルデイク
びるでるでいく
Willem Bilderdijk
(1756―1831)

オランダ詩人、文学者。オランダ思想および文学界への貢献は大きい。ハーグで弁護士として活躍(1782~95)。1795年新政府への忠誠を拒否したため、ロンドンに左遷される。18世紀ヨーロッパの一般的思潮合理主義のなかにあって、詩とは超自然的な才能であり、感情のあるがままの発露であるとし、その力量は情熱的な叙情詩にみいだされる。小編の恋の詩『祈り』(1796)、ナポレオン1世の統括下オランダ国王ルイ・ボナパルト(1世の弟)のオランダ語教師を務めた時代の大作『ナポレオン讃歌(さんか)』(1806)、『別れ』(1810)などがある。『詩の芸術』(1810)、『精神の世界』(1811)などの教訓詩にはその人生論、世界論がうかがわれる。また、一連の小説は独自の鋭いタッチで書かれている。後世の詩人に与えた影響は大きい。

[近藤紀子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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