ビルマの竪琴(読み)びるまのたてごと

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビルマの竪琴」の意味・わかりやすい解説

ビルマの竪琴
びるまのたてごと

竹山道雄の小説。1947年(昭和22)から48年にわたって児童雑誌『赤とんぼ』に連載され、48年に中央公論社より出版。旧制第一高等学校の教師であった作者戦場へ送り出した学生への鎮魂の書として筆をとったという。太平洋戦争末期のビルマ(現ミャンマー)の戦場を舞台に、音楽好きの兵士水島上等兵が伴奏する竪琴で敵も味方も合唱するという感動的な物語。しかし、戦争が終わっても水島上等兵は帰国せず、僧となって同胞の霊を弔うため戦友たちの前から姿を消していく。児童文学作品にとどまらず戦争文学名作として幅広い読者をもつ。

西本鶏介

『『ビルマの竪琴』(新潮文庫・偕成社文庫・ポプラ社文庫)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例