ファラダ(読み)ふぁらだ(英語表記)Hans Fallada

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ファラダ」の意味・わかりやすい解説

ファラダ
Fallada, Hans

[生]1893.7.21. グライフスワルト
[没]1947.2.5. ベルリン
ドイツの小説家。本名 Rudolf Ditzen。 1920年代のノイエ・ザハリヒカイト (新即物主義) の作家として出発し,ナチス時代にも活躍を続けた。小市民の日常生活に取材し,ルポルタージュ風の綿密な描写による社会小説を本領とする。『おっさん,どうする?』 Kleiner Mann,was nun? (1932) は当時ベストセラーとなり,各国語に翻訳された。ほかに『一度臭い飯を食った者は』 Wer einmal aus dem Blechnapf frisst (34) など。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ファラダ」の意味・わかりやすい解説

ファラダ
ふぁらだ
Hans Fallada
(1893―1947)

ドイツの小説家。本名Rudolf Ditzen。ワイマール共和国末期の小市民のよるべなさを描いた長編細民よ、どうする』(1932)で、一躍ベストセラー作家となった。ナチス時代も国内にとどまり、『一度くさいメシを食ったものは』(1934)、『狼(おおかみ)どものなかの狼』(1937)など、消極的な抵抗姿勢を込めた佳作を相次いで発表したが、ついにアルコール中毒にかかり、矯正施設に入れられた。敗戦後、死の直前に完成した『だれもがひとりで死んでいく』(1947)は、ナチス支配に対する孤独な抵抗とその挫折(ざせつ)を感動的に描いている。

池田浩士

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