日本大百科全書(ニッポニカ) 「フウチョウソウ」の意味・わかりやすい解説
フウチョウソウ
ふうちょうそう / 風蝶草
[学] Gynandropsis gynandra (L.) Briq.
Cleome gynandra L.
フウチョウソウ科(APG分類:フウチョウソウ科)の一年草。茎は直立し、高さ30~90センチメートル、全体に粘毛を密生する。葉は5枚の小葉からなる掌状複葉。小葉は倒卵形で長さ1.5~5センチメートル。夏、茎頂に総状花序をつくり、夕方、白色または淡紫色の花を多数開く。花弁は4枚、倒卵形で下部は細長い柄となる。花の中央に長さ1~2センチメートルの柄があり、その先に雄しべ6本と雌しべ1本がつく。蒴果(さくか)は細く、長さ約10センチメートル。西インド諸島原産で、熱帯地方に広く雑草として広がる。日本では、ときに観賞用として栽培される。セイヨウフウチョウソウTarenaya hassleriana (Chodat) Iltis(Cleome spinosa)に似るが、葉は幅が広く、花はやや小さい。
[山口美智子 2020年11月13日]
フウチョウソウ科の代表であったフウチョウソウ属は分子系統に基づく研究の結果、アブラナ科に近いことがわかったため、フウチョウソウ属とその近縁のものをフウチョウソウ科、それ以外のものをフウチョウボク科とすることになった。フウチョウボク科は木本で、世界の熱帯から亜熱帯に分布する。
[編集部 2020年11月13日]