フェイジョア(読み)ふぇいじょあ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フェイジョア」の意味・わかりやすい解説

フェイジョア
ふぇいじょあ
[学] Acca sellowiana (O.Berg) Burret
Feijoa sellowiana O.Berg

フトモモ科(APG分類:フトモモ科)の常緑大低木。高さ4~5メートル。樹皮は細かくはげる。葉は対生し、卵状楕円(だえん)形または楕円形で長さ5~7センチメートル、ほぼ全縁である。厚い革質で表面は光沢があって濃緑色裏面は白綿毛を密生する。6~7月、葉腋(ようえき)に径約4センチメートルの4弁花を開く。花弁は上に反り返ってボート形になり、やや肉質、外面白色、内面は紫紅色を帯びる。雌しべ、および多数の雄しべは深紅色で美しい。果実は楕円形で長さ3~7センチメートル、灰緑色で赤みを帯び、10~11月に熟す。果肉は白色で柔らかく、パイナップルに似た香りと甘味があり、食用にする。

 ブラジル南部、パラグアイ、ウルグアイ原産で、日本には1931~1932年(昭和6~7)ころ渡来した。関東地方南部以西の露地で育ち、土質はあまり選ばない。繁殖は実生(みしょう)、挿木接木(つぎき)などによる。

小林義雄 2020年8月20日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フェイジョア」の意味・わかりやすい解説

フェイジョア
Feijoa sellowiana; feijoa; pineapple guava

フトモモ科の常緑低木。ウルグアイ,パラグアイおよびブラジル南部に分布。高さ3~5mになる。果樹として栽培されるほか,花木として観賞されることもある。葉は5~7.5cm,卵状楕円形で対生する。葉の表面は革質で緑色,裏面は銀白色を呈する。新梢の葉腋に直径約 4cmの花を単生。花弁は4枚で外側が白く内側が紫紅色を帯び,内巻きに巻上がる。おしべは鮮紅色で黄色の葯 (やく) が目立ち,白い花弁との対比が美しい。花弁は肉厚で甘い香りを放ち,料理のつまなどに用いられることがある。果実は卵形または長楕円形で長さ5~10cm。果皮は濃緑色で,白粉におおわれる。果肉は甘く,白黄色のゼリー状。パイナップルとバナナ,イチゴを合せた風味と表現される。生食されるほか,ジャムや果実酒などの原料にされる。マイナス 10℃に耐える耐寒性がある。日当りと水はけのよい環境が適している。

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