ベルルスコーニを創始者・指導者とするイタリアの中道右派政党。1994年1月結党。2009年自由国民(PdL)に合流・発展解消するも、2013年に再結成。ヨーロッパ議会(欧州議会)会派はヨーロッパ人民党(EPP:European People's Party)に所属。
1990年代初頭、腐敗摘発と経済危機を受けて中道保守政党が軒並み解党に追い込まれるなか、行き場を失っていた保守票の受け皿の政党立ち上げが課題になった。ベルルスコーニは、自らの財閥企業フィニンベスト社Fininvestや傘下の広告会社プブリタリアPublitaliaの全国ネットワークを通じて新党フォルツァ・イタリアの候補者選定・擁立に動き、各地に党支部を立ち上げ、短期間に全国規模の党組織と候補者をそろえることに成功する。同党は1994年の総選挙で第一党に躍進し、政権与党となった。中道右派において、同党は、他を引き離す規模かつ唯一の全国的基盤を有する盟主となり、ベルルスコーニは何度も首相に就任する。
その後同党は、2008年の総選挙前、先に合同を果たした中道左派政党の民主党(PD)に対抗すべく結成された連合を基に、2009年3月創設された新党の自由国民に合流して解党する。しかし、中道右派陣営の分裂は深まり、2013年には自由国民の解党により、ベルルスコーニは党再建に舵(かじ)をきった。ただし、党勢はしばらく低迷し、2018年の総選挙では同盟に中道右派第一勢力の座を奪われ、かつての中道右派陣営の盟主としての地位は危機に瀕(ひん)している。
同党の組織では、ベルルスコーニと周辺幹部が路線決定や候補者選定に強い影響力をもつ一方、日常の党活動は低調である。政党研究者からは、指導者ベルルスコーニの権力が際だち、党固有の組織は軽いパーソナル政党、あるいは選挙での勝利と公職(政権)獲得に特化した選挙専門政党electoral professional partyとよばれる。イデオロギー的には、キリスト教民主主義や自由主義など多様な勢力を継承しており、支配的なものはない。メディアを活用した扇動的キャンペーンなどから、現代的なポピュリスト政党に区分されることもある。
[伊藤 武 2018年6月19日]
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