フォーレル(読み)ふぉーれる(その他表記)François-Alphonse Forel

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フォーレル」の意味・わかりやすい解説

フォーレル
ふぉーれる
François-Alphonse Forel
(1841―1912)

スイス湖沼学者。医学を修めローザンヌ大学で医学の教鞭(きょうべん)をとったが、レマン湖研究にも精力を注ぎ『レマン』Le Léman, Monographie limnologique全3巻(1892~1904)として発表した。1901年には『湖沼学提要』Handbuch der Seenkunde, Allgemeine Limnologieを著し、そのなかで湖盆形態、湖水流動、光、温度、生物、有機物循環などについて系統的な整理を行ったほか漁業や交通にも言及した。これらの著書はその後の湖沼研究の指針となり、彼は近代湖沼学の父とよばれている。なお現在使われている水色標準液は、彼の考案によるものである。

新井 正]

『上野益三著『陸水学史』(1977・培風館)』

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百科事典マイペディア 「フォーレル」の意味・わかりやすい解説

フォーレル

スイスの湖沼学者。ローザンヌ大学教授。湖沼学を初めて体系化。30年間にわたる湖沼誌《レマン湖》3巻(1894年―1904年)を編集,また《湖沼学教科書》(1901年)がある。そのほか物理学,地震学生物学考古学氷河学など多方面の研究を行った。
→関連項目湖沼学フォーレル標準色

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フォーレル」の意味・わかりやすい解説

フォーレル
Forel, François Alphonse

[生]1841.2.2. モルジュ
[没]1912.8.7. モルジュ
スイスの湖沼学者,医者。ローザンヌ大学で生理学解剖学を教えるかたわら,湖沼の研究に着手。特にレマン湖の湖沼誌 (1892~1904) は有名で,氷河から流れ込む低温の水によって生じる密度流発見静振機構の研究,ほかに地震や氷河の研究も知られている。

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367日誕生日大事典 「フォーレル」の解説

フォーレル

生年月日:1841年2月2日
スイスの湖沼学者
1912年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のフォーレルの言及

【湖沼】より

…また氷河地方の湖は,氷河が削りとった細かい粘土のため白く濁っているものが多く,かつ,遠くから眺めると,しばしば美しい青緑色に見える。水色の標準には〈フォーレル〉の標準液や〈フォーレル・ウール〉の標準液が使用される。〈フォーレル〉のI号は青,XI号は黄色で,数の小さいほうが美しい。…

※「フォーレル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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