フッ化ナトリウム(読み)ふっかなとりうむでーたのーと

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フッ化ナトリウム」の意味・わかりやすい解説

フッ化ナトリウム(データノート)
ふっかなとりうむでーたのーと

フッ化ナトリウム
NaF
式量42.0
融点993℃
沸点1704℃
比重2.78
結晶立方または正方
屈折率(n) 1.3258
溶解度4.03g/100g(水25℃)

フッ化ナトリウム
ふっかなとりうむ
sodium fluoride

ナトリウムフッ素の化合物。無水和物のほか二、四、八水和物が知られる。炭酸ナトリウムまたは水酸化ナトリウムを当量の割合でフッ化水素酸に加えることによって得られる。工業的には蛍石(ほたるいし)、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム炭素とともに融解する方法で製造する。塩化ナトリウム型構造の無色の結晶。水、エタノールエチルアルコール)にはわずかに溶ける。水溶液は加水分解によってアルカリ性を示し、またガラスを腐食する。フッ化水素酸に溶け、フッ化水素ナトリウムNaHF2を生ずる。木材などの防腐剤、ほうろう工業における間接乳白剤に用いられる。またむし歯の予防剤として飲料水に微量添加して用いられる。毒性があり、粉末粘膜を刺激し、神経系統を侵すので、取扱いには注意を要する。

[鳥居泰男]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フッ化ナトリウム」の意味・わかりやすい解説

フッ化ナトリウム
フッかナトリウム
sodium fluoride

化学式 NaF 。フッ化水素酸に炭酸ナトリウムを反応させて得られる無色,立方晶系結晶。融点 992℃,比重 2.78。水にわずかに溶け,アルコールには難溶。毒性がある。蛋白質接着剤の防腐,木材処理 (防腐) ,その他各種殺菌剤,虫歯予防剤などとして使用される。

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