フフーフ(読み)ふふーふ(英語表記)Hufūf

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フフーフ」の意味・わかりやすい解説

フフーフ
Al-Hufūf

サウジアラビア東部,ハサ地方オアシス都市。ホフーフ,アルフフーフ,アルホフーフともいう。首都リヤードペルシア湾岸のダンマームを結ぶ鉄道路線,幹線道路上に位置する。1871年にオスマン帝国の支配下に入ったが,1913年ワッハーブ派運動の首長イブン・サウード奪回,1932年サウジアラビア王国成立とともに同国領となり,1950年代初期までこの地方の行政中心地であった。農産物集散地として発展し,米加工品,ナツメヤシ加工品の製造,セメント工業,織物工業が行なわれるほか,王室専用のウマの繁殖施設がある。また西方には世界最大規模のガッワール油田がある。郊外にキング・ファイサル大学が立地。フフーフを中心とするオアシス一帯にはナツメヤシが大量に生い茂り,井戸や用水路等の水利システム,要塞およびモスクなど,新石器時代から今日にいたる人間活動の痕跡が点在し,2018年世界遺産の文化遺産に登録された。人口 28万7841(2004暫定)。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「フフーフ」の意味・わかりやすい解説

フフーフ
ふふーふ
Hufūf

サウジアラビア東部、ハサ地方の中心都市。ペルシア湾(アラビア湾)から約65キロメートル内陸に位置する。市名は「風が吹く」の意のアラビア語「ハファ」に由来し、ホフーフHofūfともいう。人口29万2800(2003推計)。住民の約40%がシーア派イスラム教徒である。オアシス地域の中にある農産物の集散地で、商取引の中心地である。小工業も行われ、織物、壺(つぼ)、金属細工品は古くから有名である。首都リヤドおよび石油の積出し港ダンマムと、舗装道路、鉄道で結ばれる。

[片倉もとこ]

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