直訳すれば〈ただ乗り〉になるように,ある財(あるいはサービス)の対価を支払うことなく,便益のみを享受する人のことをいう。通常の〈私的財〉の場合,財の供給者側に,対価の非支払者に財の引渡しを拒否する容易な手段がある。したがって消費者は,財の便益がコストより大きい限り必ず対価を支払う結果となる。しかし〈公共財〉,たとえばラジオ放送,国防,市街路等の場合,対価の非支払者をその財の便益享受から排除すること(排除原則の適用)は非常に高価につくか,不可能に近い。そこで対価と交換でなく財を供給して,別途,消費者に,受ける便益に相当する自発的な支払を期待したとする。すると消費者は一般に,便益を過小に表明して費用負担を避け,他人の費用負担において便益のみを享受しようとする。この消費者のただ乗り動機が,公共財の供給は,自発的市場によらず強制を伴う政治的手段,たとえば課税による資金調達によってのみ可能であることの論拠とされる。
執筆者:柴田 弘文
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