翻訳|frail
加齢によって筋力や認知機能といった心身の活力が低下し、要介護の一歩手前の状態を指す言葉。英語で虚弱を意味する「Frailty(フレイルティー)」を基にした造語で、2014年に日本老年医学会が考案した。身体的な衰えにとどまらず、独居や経済的困難に起因する孤立感など社会的な問題を含む概念。食生活の改善や交流機会の拡大で改善が可能とされ、介護費用を抑えるためにも対策が求められている。
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出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報
高齢者における健康な状態と要介護状態の中間的な状態像として、1990年代にアメリカにおいて提唱された語。要介護状態の前段階、つまり「要介護リスクの状態」として注目され、今日に至っている。ただし、厳密な学術的定義は確立していない。
日本では、近年の急速な高齢化により、要支援・要介護状態の高齢者の増加が問題となっており、その対応の必要性から、フレイルへの関心が高まった。英語のfrailtyの直訳である「虚弱」「もろさ」は、不可逆的な状態という印象を与える表現である。しかし、さまざまな研究成果により、フレイルは可逆的な状態であり、改善可能であることから、日本語訳を用いず「フレイル」という表現を用いることが、2014年(平成26)に日本国内の関連学会で合意された。また、フレイルの重要性を医療専門職のみならず広く国民に周知することが必要であり、それにより介護予防が進み、要介護高齢者の減少が期待できるとしている。
なお、フレイルの判定には、フリードLinda P. Fried(1949― )らの提唱した判定基準を日本人用に改変した以下の五つの基準が用いられている。すなわち、(1)疲れやすさの自覚、(2)体重減少、(3)筋力低下、(4)歩行速度の低下、(5)活動量の低下であり、3項目以上該当すると「フレイル」、1または2項目だけの場合にはフレイルの前段階である「プレフレイル」と判定される。
フレイルの予防・改善には、栄養(バランスのよい食事)、運動(ウォーキング、ストレッチなど)、社会参加(趣味、ボランティア、就労など)が有効である。
フレイル対策の重要性を普及啓発する目的で、2020年(令和2)にスマートウエルネスコミュニティ協議会、日本老年学会、日本老年医学会、日本サルコペニア・フレイル学会の4団体は共同で2月1日を「フレイルの日」と制定した。
[安村誠司 2020年12月11日]
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