フート(読み)ふーと(英語表記)foot

翻訳|foot

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フート」の意味・わかりやすい解説

フート
ふーと
foot

ヤード・ポンド法の長さの単位で、複数はフィートfeetとよぶ。記号ft。現在の1フートは304.8ミリメートル、1ヤードの3分の1、12インチにあたる。起源は古代オリエントで、足の長さから発した。昔から、各民族や国家で、それぞれの足を意味することばでよばれてきた。古代エジプトからギリシアローマ時代にかけての1フートは290から310ミリメートルの間にある。もともと土地を測る目的で始まった単位なので、距離の単位としては整数倍が使われた。パッススは5ギリシアフィートで147.5センチメートル、これはギリシア・ローマ時代の軍隊が使った2歩、つまり1複歩である。パッススの1000倍がミリア・パッススで、これが後のマイルmileの起源である。

[小泉袈裟勝]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フート」の意味・わかりやすい解説

フート
foot

フィートともいう。ヤード・ポンド法の長さの単位。記号は ft または ' 。補助単位にはインチ,ヤード,ポール,チェーン,ファーロング,マイルなどがあり,複雑である。
もともとフートはローマの長さの単位ペス (かかとから爪先までの長さ) に由来し,インチはラテン語のウンキア ( 1/12 ) ,ヤードは枝または棒,ポールは測量用棒の長さ,チェーンは測量用鎖の長さ,ファーロングは畑のうねの長さ,マイルはローマの長さの単位ミリアリウム (1000複歩の距離) に由来する。

フート
Huth, Georg

[生]1867.2.25.
[没]1906.6.1.
ドイツの東洋学者,アジア旅行家。シベリアモンゴル東トルキスタンを訪れて歴史,民俗,言語資料を採集した。主著は"Geschichte des Buddhismus in der Mongolei" (2巻,1893~96) ,"Die Inschriften von Tsaghan Baisin" (94) 。

フート
Voet, Gisbert

[生]1589.3.3.
[没]1676.11.1.
オランダの改革派神学者。ゴマルスの影響を受けカルバン派正統主義を奉じ,ドルト教会会議 (1618~19) でアルミニウス主義に反対した。ユトレヒト大学の教授となる (34) 。カトリック的な考え方デカルト主義の強い反対者であった。

フート
Hut, Hans

[生]1490頃.フランケン
[没]1527
ドイツの再洗礼派の信者。故郷で教会堂番人,製本業などに従事していたが,T.ミュンツァーの影響を受け,アウクスブルクで H.デンクより洗礼を受ける。自己を至福千年説を伝える預言者と信じ,バイエルンで再洗礼主義のために活動。

フート
Phu Tho

ベトナム北部,ビンフー省中部の町。首都ハノイの北西約 80kmに位置する。ホン川 (紅河) 左岸にあり,ハノイと中国国境の町ラオカイを結ぶ鉄道が通る。付近一帯で栽培される茶の集散地で,近代的な製茶工場がある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

お手玉

世界各地で古くから行われている遊戯の一つ。日本では,小豆,米,じゅず玉などを小袋に詰め,5~7個の袋を組として,これらを連続して空中に投げ上げ,落さないように両手または片手で取りさばき,投げ玉の数や継...

お手玉の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android