日本大百科全書(ニッポニカ) 「クリノリン」の意味・わかりやすい解説
クリノリン
くりのりん
crinoline フランス語
crinoline 英語
19世紀の後半、西欧の婦人が用いた、スカートを広げるためのアンダースカート、または腰枠のこと。
語源はラテン語のクリニスcrinis(髪、尾)とリヌムlinum(亜麻(あま)、麻布)の合成語。イタリア語に入ってクリノリノcrinolino、フランス語でクリノリーヌ、英語でクリノリンと発音する。1830年前後にヨーロッパに登場し、50年ごろ大流行となった。初め馬毛だけ、のちに綿、麻、ウールと混紡されるようになった。56年に人工クリノリンartificial clinolineが開発された。これは籠(かご)形ペチコートともいわれ、鯨骨、針金、ぜんまいなどを使用したものであり、さまざまなシルエットのスカートを支えていた。
[菅生ふさ代]