改訂新版 世界大百科事典 「ブラッシノキ」の意味・わかりやすい解説
ブラッシノキ
Callistemon speciosus (Sims.) DC.
枝先に多数の花をつけ,それより濃赤色の糸状のおしべがブラシのように密に開出して美しいフトモモ科の常緑低木。原産地オーストラリア。高さ2~4.5mになり,葉は長さ10cmくらいで披針形をなし,やや厚くて硬い。花弁は5枚で小さく,開花後早く脱落する。おしべは多数あって,長い。果実は球形で径1cmくらい,枝の周囲に多数密着して木化し,永年脱落しないで残る。その姿は虫の卵のように見え,内部にごく小さな種子が多数詰まっている。数年経過すると種子は飛び散る。
カリステモン属Callistemon(英名bottle brush)のうち,よく観賞されるものには,マキの葉に似た葉をつけるマキバブラッシノキC.rigidus R.Br.,黄白色の花をつけるシロバナブラッシノキC.salignus(Sims.)DC.,美しい花をつけるハナマキC.lanceolatus DC.などがある。繁殖は実生のほか挿木,取木で行う。木はじょうぶで作りやすい。排水のよい乾燥地を好む。
執筆者:古里 和夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報