ブルーベリ(英語表記)Mikhail Aleksandrovich Vrubeľ

改訂新版 世界大百科事典 「ブルーベリ」の意味・わかりやすい解説

ブルーベリ
Mikhail Aleksandrovich Vrubeľ
生没年:1856-1910

ロシアの幻想画家。移動展派のひとり。ペテルブルグ大学法学部卒業後,美術アカデミーに入りP.P.チスチャコフに師事(1880-84)。1884-89年キエフのキリロフスカヤ教会堂,ウラジーミル聖堂イコン壁画復元をまかされた。89年モスクワに移り,アブラムツェボ派に加わる。S.I.マーモントフのオペラ劇場の舞台美術を担当。オペラや神話叙事詩聖書,文学作品を題材とした優れた絵画を残した。ニーチェの思想や世紀末退廃思潮の影響も大きく,描かれる人物は寓意的であり,色彩は幻想性を帯びている。《パン》(1899),《白鳥王女》(1900),《デーモン》の連作(1890,1900-01)が知られる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブルーベリ」の意味・わかりやすい解説

ブルーベリ
ぶるーべり
Михаил Александрович Врубель/Mihail Aleksandrovich Vrubel'
(1856―1910)

ロシアの画家。オムスク軍人の家庭に生まれ、ペテルブルグ美術アカデミーでチスチャコフPavel Chistyakov(1832―1919)に師事。早くから才能を認められ、キエフ(現、キーウ)のキリロフスキー修道院の壁画修復を行った。その後モスクワへ移り、マーモントフの私立オペラ劇場での舞台制作を担当、一連の大装飾パネルを完成した。神話、英雄叙事詩、聖書、プーシキンレールモントフシェークスピアゲーテなど文学作品をテーマとした多くの作品を手がけ、その強烈な個性と大胆な構図で独自の美的世界を確立した。『悪魔』(1890)、『サルタン王物語』(1900)、『ライラック』(1900、いずれもモスクワ、トレチャコフ美術館)は有名。陶器やガラスを素材とする作品も制作している。

木村 浩]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブルーベリ」の意味・わかりやすい解説

ブルーベリ
Vruber', Mikhail Aleksandrovich

[生]1856.3.
[没]1910
ロシアの画家。ペテルブルグ大学で哲学を学び,1880年以降画家に転向。 76,92,94年にフランス,イタリアを旅行。象徴主義的な画風で神話の人物などの幻想的な主題を描き,19世紀末の画壇の中心として活躍した。

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