ブレジネフ・ドクトリン(英語表記)Brezhnev Doctrine

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブレジネフ・ドクトリン」の意味・わかりやすい解説

ブレジネフ・ドクトリン
Brezhnev Doctrine

1968年8月のチェコ事件ののち,ソ連などの軍事介入を正当化するために出された理論で,制限主権論ともいわれる。 L.I.ブレジネフは同年 11月 12日のポーランド党大会の演説で,ある社会主義国にとっての脅威は社会主義諸国全体の共通の問題であるとして,ソ連の軍事介入を弁明した。この論理によると,社会主義圏に入った国家は主権が制限され,ソ連が必要と判断したときにはいつでも介入の対象となるというので,社会主義圏内部からも批判の声があがった。その後 85年に M.ゴルバチョフ書記長に就任し折にふれて他国,他党への内政不干渉,自主性の尊重強調。 89年1月にハンガリー事件への再評価がなされ,同年 12月にはチェコスロバキアへ軍事介入した5ヵ国が誤りを認める声明を発表し,最終的にブレジネフ・ドクトリンは放棄された。

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