ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「プセロス」の意味・わかりやすい解説
プセロス
Psellos, Michael Konstantinos
[没]1079?
ビザンチンの人文主義者,政治家。哲学,神学,文学,修辞学にすぐれ,コンスタンチノープル大学の哲学部門の指導者 (1045~51) をつとめ,プラトン哲学とキリスト教の融合を目指し,またギリシア古典,特にホメロスの復活に努力,ビザンチン文化の発展に大きく寄与した。その影響はイタリア・ルネサンスに及んだ。政治家としてはミカエル5世,コンスタンチヌス9世に官房長官として,また皇妃テオドラ,ミカエル7世には宰相として仕え,国政を左右した。出世欲と政治的無節操のため後世の批難を受けたが,その主著『年代記』 Chronographia (976~1078年を扱う) は,心理描写の巧みさと洞察の鋭さにおいては第一級の文学作品であり,同時にこの時代の重要な歴史史料である。自然科学的・哲学的・神学的世界観の体系化をはかった著書『種々の学説について』 Didaskalia pantodapēのほかにプラトン哲学の解説書,弔辞集,500を数える書簡などその文筆活動は多岐にわたっている。
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