プラーガ(その他表記)Emilio Praga

改訂新版 世界大百科事典 「プラーガ」の意味・わかりやすい解説

プラーガ
Emilio Praga
生没年:1839-75

イタリア詩人,作家。ミラノ近郊のゴルラの裕福な家庭に生まれ,絵画文学を学んだ。青年時代,パリでボードレールの《悪の華》に接し,大きな影響を受けた。1862年詩集パレット》を発表し,詩人として認められ,以降スカピリアトゥーラ派を代表する詩人として活躍した。しかし父の死により経済的苦境に陥り,ミラノ音楽院の教授職を得たものの,アルコールにおぼれてボヘミアン的生活を送り,職を失って窮乏のなかに病死した。プラーガの詩はリアリズムを基調とし,絵画的であるが,会話体を挿入するなど,様式革新もねらっている。内容は反教権的,反ブルジョア的で,惨めなもの,グロテスクなものへの共感前面に出ている。だが晩年には幼児の純粋さや田舎の素朴な生活を賛美するなど,逃避的傾向をみせるようになった。代表作は詩集《薄暗がり》(1864),《寓話伝説》(1867),《透明》(1878),小説《長老派教会聖堂の思い出》(1881)。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「プラーガ」の意味・わかりやすい解説

プラーガ
Praga, Marco

[生]1862. ミラノ
[没]1929. コモ
イタリアの劇作家。 E.プラーガの息子。フランス近代劇に範をとり,ベリズモの手法を用いて,退廃したブルジョア社会を巧みな風刺をこめて描いた。また,イタリア作家協会を創設し,ミラノのマンゾーニ劇場の運営にもあたった。代表作は戯曲に『乙女たち』 Le vergini (1889) ,『理想の妻』 La moglie ideale (90) ,『友だち』L'amico (93) ,『美しきアポロン』 Il bell'Apollo (94) ,『開かずの扉』 La porta chiusa (1905) ,短編集に『あらわな魂』 Anime nude (20) ,長編小説に『金髪の娘』 La biondina (1893) などがある。

プラーガ
Praga, Emilio

[生]1839.12.26. ゴルラ
[没]1875.12.26. ミラノ
イタリアの詩人,画家。裕福な家庭に生れ,早熟な才能を示したが,父の死によって生活が破綻し,酒におぼれて死を早めた。主著『パレット』 Tavolozza (1862) ,『薄明』 Penombre (64) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「プラーガ」の意味・わかりやすい解説

プラーガ(Emilio Praga)
ぷらーが
Emilio Praga
(1839―1875)

イタリアの詩人、小説家。統一直後のイタリアで、既成の価値観に異を唱え、芸術至上主義を標榜(ひょうぼう)し、ボヘミアン的生活に身を投じてアルコールにおぼれ、夭折(ようせつ)した。ロマン主義と真実主義の橋渡し的役割を果たしたスカピリアトゥーラ派を代表する詩人で、郷愁にあふれる絵画的な詩を多数残した。『パレット』(1862)、『薄暗がり』(1864)、『寓話(ぐうわ)と伝説』(1867)、『透明』(1878)などが代表作である。

[竹山博英]


プラーガ(Marco Praga)
ぷらーが
Marco Praga
(1862―1929)

イタリアの劇作家。エミリオ・プラーガの息子。慈善事業の事務局で働いたのち、30歳を過ぎて劇作家になった。ブルジョア社会の欺瞞(ぎまん)を悲観主義的視点からリアルに描いて成功を収めた。代表作の『理想の妻』(1890)は、夫と愛人に違った顔をみせる「理想の妻」ジュリアの偽善を鋭くえぐっている。『美しいアポロン』(1894)、『閉ざされた扉』(1914)などの作品がある。演劇批評家としても活躍。

[竹山博英]

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世界大百科事典(旧版)内のプラーガの言及

【スカピリアトゥーラ派】より

…そこで一方では社会的不正義を糾弾するリアルな作品を書きながら,もう一方ではボードレール,ネルバル,ポーらの影響のもとに,イタリアのロマン主義文学が見過ごしてきた悲惨なもの,怪奇なものへ文学的探究を進めていった。会話体を大胆に取り入れた絵画的詩を書いたプラーガや,幻想的な詩風のボーイト,幻想的小説を多く残したタルケッティIgino Ugo Tarchetti,特異な言語実験をしたドッシCarlo Dossiらがその代表的作家である。多様な傾向を示した同派の文学は,この後に興る自然主義文学,デカダンス文学,さらには未来派の文学運動にまで影響を与えた。…

※「プラーガ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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