プルキンエ現象(読み)プルキンエゲンショウ(英語表記)Purkinje phenomenon

デジタル大辞泉 「プルキンエ現象」の意味・読み・例文・類語

プルキンエ‐げんしょう〔‐ゲンシヤウ〕【プルキンエ現象】

Purkinje phenomenon》薄暗い所で、短波長青色に近いものが明るく見え、長波長の赤色のものが暗く見える現象網膜で働く細胞が、暗順応が進むにつれて錐状体から桿状体かんじょうたいにかわるために起こる。チェコの生理学者プルキンエ(J.E.Purkinje)が発見プルキニエ現象

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改訂新版 世界大百科事典 「プルキンエ現象」の意味・わかりやすい解説

プルキンエ現象 (プルキンエげんしょう)
Purkinje phenomenon

1825年にJ.E.プルキンエは,暗くなるにつれて絵の中の青い色の部分がしだいに明るく鮮やかに見えてくるのに反し,赤い色の部分はしだいに暗く異常に生彩を失って見えてくることを発見した。この現象はその後いろいろな角度から検討されて,プルキンエ現象と名付けられた。今日ではこの現象は人間の視覚機構に基づくものと説明されている。すなわち,網膜の視細胞うち錐体の働きが暗くなるに従って鈍くなり,これに反し桿体かんたい)の働きが強くなり,しかも桿体の感度が錐体のそれよりも短波長側へ寄っていて,波長の長い赤を暗く,波長の短い青を明るく感じるからである。
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百科事典マイペディア 「プルキンエ現象」の意味・わかりやすい解説

プルキンエ現象【プルキンエげんしょう】

暗くなると,青や緑などの短波長色が明るく見え,赤などの長波長色が暗く見える現象。たとえば薄暮時には草木緑色があざやかに感じられる。チェコスロバキアのJ.E.プルキンエが初めて記載。網膜の視細胞のうち,長波長の光に対して高い感度をもつ錐体の働きが鈍くなり,逆に短波長の光に対して高い感度をもつ杆体(かんたい)の働きが強くなるために起こる。

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法則の辞典 「プルキンエ現象」の解説

プルキンエ現象【Purkinje phenomenon】

「プルキンエ効果(生理学)」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内のプルキンエ現象の言及

【色覚】より

視覚【久保田 伸枝】。。…

【運動】より

…運動という概念を最も広くとるとき,それは,この世界におけるいっさいの〈変化〉を指すと考えられる。そしてこのような世界の〈変化〉一般を論ずるという意味でなら,中国,インドその他の古代文化圏にも,運動論はあった。むしろ,形而上学のみならず,魔術や呪術的世界観さえ,運動を論ずるものであったと見ることができる。
【運動観の歩み】
 古代中国の形而上学体系として知られる《易経》は,もともと〈易〉の文字がトカゲ,あるいはヤモリをかたどった文字であるともされることからも明らかなように,(体色の)〈変化〉の象徴であり,結局は〈変化の学問〉を意味したし,それはのちに陰陽,五行,太極などの概念と結びついて,万物の起源たる唯一者〈太極〉からさまざまな物質や現象が生み出されて,世界となるための〈変化〉の原理を説明する,独特の運動論を構成したといってよい。…

【色覚】より

…明るいところでは黄緑がもっとも明るく,たそがれ時には青緑がもっとも明るく感じる。この現象をプルキンエ現象Purkinje’s phenomenonと呼んでいる。単純光線に白,灰色,黒などの無彩色を混ぜると白っぽくなったり,黒っぽくなったりする。…

※「プルキンエ現象」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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