ヤマモガシ科の常緑小高木からなる1属の総称。アフリカの熱帯から南部に分布し,約130種が知られている。多くは頭状に密集した花を枝端につけ,さらに花序が美しい色彩の苞によってとりまかれているので,観賞植物として栽植されたが,耐寒性はあまりない。多湿をきらうので,西日本の暖地でも露地栽培の成績は良好ではない。ドライフラワーとして輸入されてもいる。
プロテア・コンパクタP.compacta R.Br.は学名のように小型で,高さ1~2mほど。苞には銀色の毛を密生する。南アフリカ原産。プロテア・キナロイデスP.cynaroides L.(英名King protea)は英名の示すように大きな直径20cmほどになる頭状花序をつけ,とりまく苞片は白色,桃色,桃紫色などで美しい。プロテア・メリフェラP.mellifera Thunb.(英名sugar-bush)は,苞片から出るみつが利用されることもある低木で,南アフリカの国花とされている。いずれも日本では通常,初夏に開花する。
執筆者:堀田 満
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ヤマモガシ科(APG分類:ヤマモガシ科)プロテア属の総称。半耐寒性の常緑低木で、葉は革質。花は枝の先端に頭状につき、径4~5センチメートルのものから約20センチメートルの大形種まである。多数の鱗列(りんれつ)する総包の中に長形の花被(かひ)があり、先端に白毛がある。成熟すると花被が縦に割れて堅い雌しべが伸びるが、結実は少ない。外側の包葉は20~100枚に達し、赤紅、暗赤、紫紅、黄、朱橙(しゅとう)、白色などがあり、美しい。5~6月咲きと、8~9月咲きのものがある。南アフリカを中心に約75種分布する。著名品種にコンパクタ、キングプロテアP. cynaroides、グランディセプス、ネリーフォリア、レペンス、スペシオサなどがある。栽培にあたっては、氷点下を避けることと多湿に注意する。
[吉次千敏 2020年4月17日]
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