ポルトガルの首都リスボンの市街西部、ベレン地区のテージョ川沿いにある16世紀の要塞。同じくテージョ川沿いにある発見記念碑よりも、約1km川下にある。ポルトガル独特のマヌエル様式で、3階建ての石造の四角い塔である。モロッコ出身の建築家が設計したこともあり、イスラム建築の影響も見られる。ポルトガル国王のマヌエル1世(1469~1521年)により、リスボン港の防衛とテージョ川を出入りする船の監視を目的に、ヴァスコ・ダ・ガマ(Vasco da Gama、1469頃~1524年)のインド航路発見や、マゼラン(Ferdinand Magellan、1480?~1521年)の世界一周の偉業を記念して建設された。1階には満潮時に水に浸される牢獄が、2階には砲台がある。眺めのよいテラスがある3階には王族の居室もあった。現在は小さな博物館になっていて、16~17世紀の家具が展示されている。また、塔の周辺は公園になっていて、週末などには家族連れなどでにぎわっている。