翻訳|Beige Book
アメリカに12ある地区連邦準備銀行(地区連銀)がそれぞれ管轄する地区の経済情勢を分析した報告書の通称。正式名称は「アメリカ地区連邦銀行経済報告Summary of Commentary on Current Economic Conditions by Federal Reserve District」で、FRB(連邦準備制度理事会)が年8回公表する。報告書の表紙がベージュ色のため、こうよばれるようになった。12の地区連銀(アトランタ、カンザス・シティ、クリーブランド、サンフランシスコ、シカゴ、セントルイス、ダラス、ニューヨーク、フィラデルフィア、ボストン、ミネアポリス、リッチモンド)が、それぞれの管轄地区の経済情勢について総合判断を示すほか、物価、賃金・雇用、消費、製造、金融、不動産、サービスなどの状況について説明する。各地区連銀はそれぞれの管轄地区の経営者やエコノミストらへのインタビューや各種調査を通じて情報を収集し、報告には足元の経済情勢を示すエピソードを盛り込むようになっている。アメリカの金融政策を決めるFOMC(連邦公開市場委員会)の2週間前の水曜日に公表され、FOMCで金融政策や経済情勢を議論するための判断材料となる。
ベージュブックは1970年から作成されていたが非公開であった。ダウ・ジョーンズ社の記者ポール・コックスの公開要求を受け入れて1985年以降は一般に公表され、経済指標として注目されるようになった。なお日本では、ベージュブックを参考に、日本銀行が2005年(平成17)4月から、全国9地域ごとの景気情勢を分析した「さくらレポート」(正式名称は「地域経済報告」)の公表を始めた。
[矢野 武 2016年7月19日]
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