ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベーリー」の意味・わかりやすい解説
ベーリー
Bailey, Samuel
[没]1870.1.18.
イギリスの哲学者,経済学者。 1831年シェフィールド・バンキング・カンパニーを創設,頭取として終生その職にあった。哲学面での著作もあるが,経済学面ではリカード派経済学の批判者として知られ,匿名で出版された『リカード価値論の批判』A Critical Dissertation on the Nature,Measures,and Causes of Value (1825) で D.リカードの価値論のほぼすべての論点を痛烈に批判した。その大きな特色は,特にリカードの不変の価値尺度を批判した価値の相対的把握 (商品と商品との関係=価値) にあり,新古典派的相対価格論の先駆と目されることもある。そのほか著書に"Money and its Vicissitudes in Value" (37) ,"A Defence of Joint Stock Banks and Country Issues" (40) などがある。
ベーリー
Bailey, Philip James
[没]1902.9.6. ノッティンガム
イギリスの詩人。ファウスト伝説に基づく2万行をこえる (最終版ではさらに長さが倍増された) 長詩『フェスタス』 Festus (1839) の著者として知られる。ほかに『天使の世界』 The Angel World (50) などがある。 W.E.エイトンから「けいれん派」 Spasmodic Schoolと揶揄された。
ベーリー
Baillie, Joanna
[没]1851.2.23. ハムステッド
イギリスの女流詩人,劇作家。スコットランド出身。『激情に関する劇』 Plays on the Passions (3巻,1798,1802,12) は,人間の感情を主題に,それぞれ対照的な喜劇と悲劇に仕立てたもの。詩集には『偶詠』 Fugitive Verses (1790) ,『韻文伝説』 Metrical Legends (1821) 。
ベーリー
Bailey, Gamaliel
[没]1859.6.5.
アメリカの奴隷制度廃止論者,ジャーナリスト。 1836年西部初の奴隷制度廃止運動の機関誌『シンシナティ博愛主義者』 Philanthropistの編集に加わったのち,47年以降『ナショナル・イアラ』 The National Era紙の編集長。
ベーリー
Bailey, Sir Harold(Walter)
[没]1996.1.6/11.
イギリスの東洋学者。ロンドン大学教授を経て,1936年ケンブリッジ大学教授となる。中央アジア古代言語の研究で著名であった。主著『ホータン語写本集成』 Codices Khotanenses (1951) 。
ベーリー
Baillie, Robert; Baillie of Jerviswood
[没]1684.12.24. エディンバラ
スコットランドの陰謀家。 1683年ライ・ハウス事件に加担。ロンドンで投獄されたのち,エディンバラに送られ絞首刑に処せられた。
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