日本大百科全書(ニッポニカ) 「ペインター」の意味・わかりやすい解説
ペインター
ぺいんたー
Theophilus Shickel Painter
(1889―1969)
アメリカの細胞遺伝学者。バージニア州に生まれる。ロアノーク大学を卒業(1908)、エール大学で学位を取得した(1913)。その後同大学の助手となり、さらにテキサス大学の準教授(1921)、教授(1925)となり、晩年同大学の学長を務めた(1944~1946)。広く動物の染色体の研究をしたが、哺乳(ほにゅう)動物とくにヒトの性染色体はXY型であることをつきとめた業績はよく知られている(1920~1930)。また双翅(そうし)目昆虫(ショウジョウバエなど)に巨大な唾液腺(だえきせん)染色体のあることを発見し(1933)、染色体の構造異常と遺伝的表現との関連を顕微鏡下で明らかにし、遺伝子座決定の緒を開いた研究は高く評価されている。
[吉田俊秀 2018年11月19日]