ロシア連邦東端,サハリン島南西部の不凍港。人口5万0300(1993)。日本名は真岡(まおか)。18世紀末,松前藩によって樺太西岸の主要漁場として開かれ,幕末には幕府の樺太経営の一拠点であった。1905年のポーツマス条約後,真岡支庁の所在地となり,漁業や水産物加工のほか,樺太工業会社の製紙工場も進出して急速に発展した。また近代的な築港や樺太鉄道西海線,豊真線の分岐点として交通の要衝となり,人口は1万9000(1941)を数えた。45年のソ連併合後も水産物加工コンビナートにみられる漁港の性格と,パルプ・製紙工場,建築材料工場,船舶修理工場のある小工業都市の性格をあわせもつ。73年から沿海州ソビエト湾のワニノとの間に6隻の砕氷型鉄道連絡船が就航し,大陸との海上交通におけるサハリンの表玄関となっている。船員養成所や船員文化宮殿,船員診療所があり,近隣のアントノボ村には太平洋水産科学センターのサハリン支部もある。
執筆者:秋月 俊幸
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樺太(からふと)(サハリン)南部西岸の小都市。日本名真岡(まおか)。
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