ボゴタ会議(読み)ぼごたかいぎ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボゴタ会議」の意味・わかりやすい解説

ボゴタ会議
ぼごたかいぎ

1948年3~5月、コロンビアの首都ボゴタで開催された第9回米州国際会議(汎(はん)アメリカ会議)。アメリカのマーシャル国務長官とラテンアメリカ20か国の外相が参加し、会議の結果、「米州機構憲章」が採択され、米州機構(OAS)が発足した。同機構設立の最大の目的は、1936年ペルーのリマで開催された第8回会議で討議された、米州諸国間の国境紛争を平和的に調停・解決するための原則の確立にあった。ラテンアメリカ諸国間の平和維持に関する草案は、45年メキシコにおける地域的国際会議での承認を経て本会議に上程されたが、地域内の紛争解決を国際司法裁判所にゆだねる手続は、アメリカの反対により確立されず、実効的手段を欠いた。アメリカは、第二次世界大戦後の冷戦に伴い、反共政策の一環として同機構の設立と加盟に積極的な態度を示した。この会議の期間にボゴタ市路上でコロンビアの自由党左派指導者ガイタンが暗殺され、暴動が起こった。

[寿里順平]

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ボゴタ会議」の解説

ボゴタ会議(ボゴタかいぎ)

1948年にコロンビアのボゴタで開かれた第9回パン・アメリカ会議。米州諸国間の協力関係を緊密にするため,恒久機関をつくることをめざして米州機構憲章を採択した。その目的は,米州の安全保障民主主義強化経済・社会・文化協力に置かれている。この憲章にもとづいてワシントン事務局を置く米州機構(OAS)が設立されることになった。折しも,大衆政治家ガイタンの暗殺事件をきっかけとした暴動まっただなかでの開催であった。

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百科事典マイペディア 「ボゴタ会議」の意味・わかりやすい解説

ボゴタ会議【ボゴタかいぎ】

1948年ボゴタで開かれた第9回米州諸国会議の通称。米州諸国の共同防衛と経済・文化面での協力を定めた米州機構憲章(通称ボゴタ憲章)を採択し,米州機構設立を決定した。
→関連項目ボゴタ

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