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米州機構 べいしゅうきこうOrganization of American States; OAS

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

米州機構
べいしゅうきこう
Organization of American States; OAS

アメリカ大陸における地域的協力のために設定された一般的国際機構。全米連合とも呼ばれる。1948年4月にコロンビアの首都ボゴタで開かれた米州会議で米州機構憲章が締結され,1951年12月発効した。その支柱としては,ボゴタ憲章のほか,米州相互援助条約(リオ条約)と紛争の平和的解決に関する米州条約(ボゴタ条約)がある。OASの目的は,(1) 平和と安全の強化,(2) 紛争の平和的解決,(3) 侵略の場合における共同行動の準備,(4) 加盟国間の政治的,法律的,経済的問題の解決などで,その機能は総合的で国際連合の小型版ともいわれる。原加盟国はアメリカ合衆国,ラテンアメリカ諸国の計 26ヵ国で,カナダは加わらず,キューバ政府は 1962年に会議列席を拒否された。事務総局はアメリカのワシントンD.C.にある。1967年の憲章改正で,3分の2の多数決による新規加盟の承認規定が加えられ,機構が強化,社会経済的分野での活動が重視されるようになった。最高機関は従来の 5年ごとの米州会議にかわり年次総会となった。外相協議会は従来どおり,OASの機関であると同時にリオ条約の協議機関である。常設理事会(各国の OAS常駐大使),米州経済社会理事会,米州教育科学文化理事会は総会に対して直接に責任を負う。1971年の第1回 OAS総会で,非加盟国の常時オブザーバー制度を設けた。日本は 1973年に 10番目のオブザーバー国になった。1967年からカリブ諸国の加盟が始まり,1990年にはカナダも加盟。2012年現在 35ヵ国で構成されている。キューバは 1962年に一方的に脱退声明,国の籍だけ存続している。

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知恵蔵の解説

米州機構

米州地域の平和と安全の保障や相互理解の促進などをうたった地域協力機構。1948年、コロンビアで調印されたボゴタ憲章に基づく。加盟国は米国、カナダと中南米の計35カ国。日本、ドイツなどがオブザーバーとなっている。当初は米国主導の反共同盟の色が濃く、米国による中南米支配の道具ともいわれた。民族主義の高揚と共に、中南米諸国が結束して米国に当たる場となり、米国の思惑に反する路線を打ち出している。2002年4月には米国の意に反し、ベネズエラ政変でチャベス政権の正統性を認めた。05年5月には事務総長にチリ前内相のインスルサが就任した。米国が当初支持しなかった候補が選ばれたのは同機構の歴史で初めて。年次総会のほか、加盟国による米州特別首脳会議が定例化している。

(伊藤千尋 朝日新聞記者 / 2007年)

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デジタル大辞泉の解説

べいしゅう‐きこう〔ベイシウ‐〕【米州機構】

Organization of American States》米州諸国による地域的国際協力機構。1948年に採択したボゴタ憲章に基づくもので、1951年発足。南北アメリカの共同防衛、地域安全保障のほか、文化・社会・経済的協力などを目的とする。事務局はワシントン。OAS。

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百科事典マイペディアの解説

米州機構【べいしゅうきこう】

Organization of American States。略称OAS。米国および中南米諸国で構成される国際機構。1948年ボゴタ会議で採択された米州機構憲章に基づき1951年発足。
→関連項目キューバ危機ハバナ宣言プンタ・デル・エステ憲章米州開発銀行ラテン・アメリカ

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世界大百科事典 第2版の解説

べいしゅうきこう【米州機構 Organization of American States】

アメリカ合衆国とラテン・アメリカの諸国が加盟している地域的協力機構で,1948年に米州諸国間で調印された米州機構憲章に基づいて設置されたものである。略称OAS。第2次大戦中にアメリカ合衆国とラテン・アメリカ諸国は,政治,経済,軍事の面で緊密な協力体制をつくり出したが,戦後その体制を恒常的な制度とするために48年コロンビアのボゴタで開催された第9回米州諸国会議で,そのことを定めた上記憲章が調印された(1951年に発効)。

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大辞林 第三版の解説

べいしゅうきこう【米州機構】

1948年に採択された憲章に基づく米州諸国の地域的国際機構。共同防衛・地域的安全保障のほか文化・社会・経済的な協力を任務とし、米州共同体制の基礎となっている。 OAS 。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

米州機構
べいしゅうきこう
Organization of American States

南北アメリカ大陸地域の諸問題解決に対して中心的役割を果たす国際機関。略称OAS。本機構は、米州国際会議(汎(はん)アメリカ会議)が19世紀末以降積み重ねてきた努力の成果として形成された「地域的・総合的な国際組織」である。米州会議は、チャプルテペック協定(1945)や全米相互援助条約(1947)を採択したが、1948年4月30日、ボゴタの第9回会議で米州機構憲章Charter of the Organization of American States(ボゴタ憲章)を採択した(1951年12月13日発効)。米州機構憲章を中核に、これと同時に採択された平和的解決に関する米州条約American Treaty of Pacific Settlement(憲章と同時に発効)と前記の全米相互援助条約は、三位一体(さんみいったい)となって地域的平和機構を構成する。米州機構は、国際の平和および安全の維持を主要な目的とするものであるが、また同時に、経済的・社会的・文化的な国際協力を任務とする専門的国際組織としても機能する。1967年以後、数回にわたって機構の改革を行い、中心機関として、総会、外務大臣協議会、常設理事会、統合開発理事会、米州法律委員会、米州人権委員会、米州人権裁判所、事務総局、専門会議、および専門機関を設置する。1950年代、合衆国主導の反共主義・干渉主義に彩られていた米州機構も、1960年代にかけて、中南米諸国の民族主義の高揚をみせ、1970年代にかけては、経済的・社会的・文化的協力の推進とともに、米州機構のラテンアメリカ化といった現象を顕著にしている。
 2010年時点で加盟国はアメリカ、カナダと中南米33か国の計35か国。キューバは1962年の対キューバ制裁決議により排除されているが、形式的には加盟国となっている。本部はワシントン。近年では、域内の民主化の確立、維持に力を入れていて、加盟各国に対する選挙監視活動や、民主主義に脅威をもたらす貧困への対策などを行っている。[森脇庸太]

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世界大百科事典内の米州機構の言及

【善隣政策】より

…また第2次大戦では米州諸国家を,汎米戦線のもとに糾合し戦争遂行に協力させる。その後同政策は,チャプルテペク条約,リオ条約を経て,48年ボゴタ会議での米州機構(OAS)結成につながり,西半球諸国の集団安全保障体制づくりに収束されていった。しかし善隣政策は,のちのケネディによる破綻した〈進歩のための同盟〉政策に見られるように,あくまでアメリカの利益を基調とし,新植民地主義的な対米従属関係を覆い隠す本質を併せもっていた。…

【モンロー主義】より

…第2次大戦から戦後にかけて,アメリカは西半球防衛のためのラテン・アメリカ諸国との協力体制の形成に努め,米州外の国からの米州諸国に対する脅威に共同で対処することを提唱した。48年の米州機構は,大戦中からの協力関係を機構化したものである。こうした協力体制は,モンロー主義を汎米化したものといわれた。…

※「米州機構」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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