旧称ボイテンゾルフ植物園。オランダ植民地時代の1817年に開設されたもので,110haの地域に1万種をこえる熱帯植物が栽培されており,とくにヤシ,タケ,ランなどには目をみはる収集物がある。現在の機構はインドネシア生物研究所の一部門で,150万点の標本を蔵するハーバリウムも併置されている。熱帯植物学の研究の重要な拠点であり,《マレーシア植物誌》はこの研究所とライデン大学との共同編集の大事業である。ボゴールの西方チボダスには標高1400mの高山植物園があり,60haの高地に,ボゴールでは育たない植物が植栽されている。P.F.vonシーボルトが移植したといわれる日本の植物もいくつか元気に育っている。
執筆者:岩槻 邦男
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インドネシアのボゴール市にある植物園。1817年に設立され、オランダ植民地時代にはボイテンゾルフ植物園とよばれた。面積は44ヘクタール。気温が年間を通じて22~30℃、雨量は4000ミリメートル以上で、園内には1万種ほどの植物が栽培される世界有数の熱帯植物園である。インドネシア自生種を中心に、ヤシ科、タケ科、ラン科の植物が多く、分類群ごとに区画されているが、カナリーヤシの並木はよく知られている。組織的にはインドネシア国立生物学研究所の一部門であり、膨大な標本を有する腊葉(さくよう)館のほか、分園としてボゴール西方のチボダスの標高1400メートルの地に高山植物園を設置している。
[内田 謙]
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…植物園といえば必ず名前の出てくるベルリン植物園,ニューヨーク植物園,ミズーリ植物園などは同じような植物研究所であり,パリ植物園(ジャルダン・デ・プラント)は自然史関係の研究所群の中核となっている。アジアでも,ボゴール植物園は隣接地にハーバリウム,図書館も含めた生物研究所をもっており,オランダ植民地時代に作られた施設が充実した姿で維持されている。中国にもいくつか植物園があり,一時破損もはなはだしかったということではあるが,最近は充実の方向に向かっている。…
※「ボゴール植物園」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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