ボスコ(読み)ぼすこ(その他表記)Henri Bosco

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボスコ」の意味・わかりやすい解説

ボスコ(Henri Bosco)
ぼすこ
Henri Bosco
(1888―1976)

フランスの作家。アビニョン生まれ。リセの古典文学教師としてイタリア、モロッコなど歴任晩年ニースに住む。1932年小説『猪(いのしし)』Le Sanglier作風確立、多く南仏を舞台に自然との交感血族の絆(きずな)に生きる人間の意識と幻想の微妙な揺れを追求して秘教的作品を生んだ。『ズボンをはいたロバ』(1937)、『テオティーム農家』(1945)、『マリクロワ』(1948)、『岩礁』(1971)、少年小説『少年と川』(1945)などがある。

天沢退二郎

『J・パレイエ画、天沢退二郎訳『犬のバルボッシュ』(1984・福音館書店)』『多田智満子訳『ズボンをはいたロバ』(1977・晶文社)』


ボスコ(ドン・ボスコ)
ぼすこ

ドン・ボスコ

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ボスコ」の意味・わかりやすい解説

ボスコ
Bosco, Henri

[生]1888.11.16. アビニョン
[没]1976.5.4. ニース
フランスの小説家。プロバンスの自然と生活に強くひかれ,事物の下に隠された神秘を探った。主著『ピエール・ランペドゥーズ』Pierre Lampédouze(1924),『ズボンをはいたロバ』L'Âne culotte(1937),『テオチーム農家』Le Mas Théotime(1945,ルノドー賞),パスカレ少年を主人公とする童話『少年と川』L'Enfant et la rivière(1955),『島の狐』Le Renard dans l'île(1956)など。

ボスコ
Bosco, Umberto

[生]1900.10.2. カタンツァロ
[没]1987. ローマ
イタリアの批評家。『レオナルド』『ヌオーバ・アントロジーア』など,20世紀の主要な文芸紙誌の編集に加わり,古典から現代までの作家論展開。主著『デカメロン論』 Il Decamerone (1929) ,『イタリア文学史側面』 Profilo storico della letteratura italiana (1957) 。

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世界大百科事典(旧版)内のボスコの言及

【庭園】より

… 16世紀に完成されたこのイタリア様式の庭園として,今日残存するもっともすばらしい例は,ローマ近郊のティボリにイッポリト・デステの営んだビラ・デステ(エステ荘),およびローマ北方のバニャイアBagnaiaのビラ・ランテVilla Lante(ともに16世紀中葉)であろう。ともに傾斜地に営まれたものだが,前者は大がかりな水の使用に特色があり,後者は16世紀イタリア庭園に特徴的なジャルディーニjardini(幾何学的な庭園)とボスコbosco(叢林)の組合せの典型である。さらにこれらの庭園が,邸館の内部同様,ギリシア・ローマ神話の神々の像やさまざまな寓意像によって彩られていたことも忘れてはならない。…

※「ボスコ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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