ボルジア家(読み)ボルジアけ(英語表記)Borgia

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ボルジア家」の意味・わかりやすい解説

ボルジア家
ボルジアけ
Borgia

スペインのバレンシア近郊ヤティバ出身のイタリア名門貴族の家系。 15世紀末から 16世紀初めのイタリアに大きな影響を及ぼした。一門のアルフォンソ (1378~1458) がバレンシア司教,枢機卿を経て教皇 (カリクスツス3世〈在位 55~58〉) に選ばれたことから家系の隆盛が始った。彼は教皇即位と同時に一族をスペインから呼び寄せて教会の要職につけた。そのなかには教会軍総司令官となったペドロ・ルイスや枢機卿に任命されたロドリーゴ (31~1503) らがいた。ロドリーゴは 1492年教皇に選出されてアレクサンデル6世 (在位 1492~1503) となり,彼もまた一族を要職につけた。彼の息子フアン (→ボルジア,J.) はスペインのガンディア公に,チェーザレ (→ボルジア,C.) は数々の教会職を歴任したあとロマーニャ公となり,娘のルクレツィア (→ボルジア,L.) は政略結婚を重ねて最後にはエステ家のフェララ公アルフォンソの妻となり,末子ホフレはアラゴン家の庶出の王女サンチャと結婚した。このようにボルジア家はロドリーゴが教皇在任中に最盛期を迎えたが,彼が 1503年に死亡したあと家門は急速に没落した。

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