改訂新版 世界大百科事典 「ボロシーロフ」の意味・わかりやすい解説
ボロシーロフ
Kliment Efremovich Voroshilov
生没年:1881-1969
ソ連邦の軍人,政治家。鉄道労働者の家に生まれ,少年時代から金属労働者として働くかたわら革命運動に参加。1903年ロシア社会民主労働党(共産党の前身)に入党した。逮捕,流刑を重ね,17年の十月革命後の国内戦の時代には,ウクライナで反革命軍と戦った。このころから軍事面で頭角を現し,革命軍事会議議長兼陸海軍人民委員(1925-34),国防人民委員(1934-40)を経て,40年に副首相兼国家防衛委員会議長に就任。1935年にはソ連最初の元帥の称号を与えられた。第2次大戦中は北西方面軍総司令官をつとめ,レニングラード防衛にも当たった。戦後は副首相(1946-53),最高会議幹部会議長(1953-60)を歴任した。61年マレンコフらの反党グループに荷担したとの非難をうけて自己批判。モスクワのクレムリンの壁に葬られている。
執筆者:木塚 英人
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