日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボンゼルス」の意味・わかりやすい解説
ボンゼルス
ぼんぜるす
Waldemar Bonsels
(1881―1952)
ドイツの作家、詩人。医者の息子として生まれる。インド、エジプト、南アメリカなど広く世界を歩き、精細な自然観察と繊細な詩人的感性とによって優れた紀行文『インド紀行』(1917)を残した。詩人としては新ロマン派の系統に属し、その自然描写には汎神論(はんしんろん)的な傾向がうかがえる。動物を擬人化した物語『蜜蜂(みつばち)マーヤの冒険』(1912)は児童文学作品として名声を博し、28か国語に翻訳された。そのほかに注目すべき作品として『天国の民』(1915)がある。
[関 楠生]
『高橋健二訳『みつばちマーヤの冒険』(1976・国土社)』▽『実吉捷郎訳『インド紀行』(岩波文庫)』