ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ボールトン」の意味・わかりやすい解説
ボールトン
Bolton
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イギリスの企業家。ワットの蒸気機関の製造、販売で知られる。バーミンガムの金属加工業者の子として生まれる。父の事業を継ぎ、1762年にソホー製造所を設立、金属製装身具を製造した。1768年以降、ワットの蒸気機関の将来性に着目して、その完成を援助し、1775年にボールトン‐ワット商会を設立した。最初は部品の多くを外注に依存し、組立てと特許料徴収を主業務としたが、しだいに一貫生産に移行した。この経営でボールトンは主として営業面を担当したが、造幣機械(1790年特許)などの発明でも知られ、またバーミンガムの科学者の社交クラブ、ルナ・ソサイエティLunar Societyでも活躍した。
[水野五郎]
イギリス、イングランド北西部、グレーター・マンチェスター大都市県の工業都市。人口26万1035(2001)。ペニン山脈の西麓(せいろく)に位置するランカシャー地方の代表的な綿工業都市であるが、第二次世界大戦後は綿工業の衰退に伴い、機械、化学などの工業の比重が相対的に高まった。産業革命初期の二大発明家、アークライトは当地で開業して水力紡績機を発明(1768)し、クロンプトンは当地で生まれてミュール紡績機を考案(1779)した。彼らの独創力に加えて豊富な軟水と石炭が得られ、マンチェスターとの間の運河開通(1791)も伴って、中世以来の毛織物産地が近代的な綿工業都市に脱皮した。繊維博物館があり、2人の紡績機が保存されている。
[久保田武]
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