ボーン(英語表記)Henry Vaughan

デジタル大辞泉 「ボーン」の意味・読み・例文・類語

ボーン(born)

《bear(生む)の過去分詞形から》多く複合語の形で用い、生まれながらの、生まれつき、の意を表す。「ボーンリーダー(=天性の指導者)」「ボーンデジタル

ボーン(bone)

骨。また、骨状のもの。「バックボーン

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精選版 日本国語大辞典 「ボーン」の意味・読み・例文・類語

ボーン

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] bone ) 骨。骨状のもの。〔外来語辞典(1914)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「ボーン」の意味・わかりやすい解説

ボーン
Henry Vaughan
生没年:1622-95

イギリスの詩人。〈形而上派〉と呼ばれた17世紀詩人たちの最後の一人。オックスフォード大学卒業後,ロンドンで法律を修業したが,最後には医学を学んで,故郷のウェールズに帰り,開業医となった。宗教紛争の時代を通して,政治思想は王党派,信仰的には国教会派であったが,詩作品の内容は神秘主義的色彩がきわめて濃い。それは代表作である宗教詩集《火花散る火打石》(第1部1650,第2部1655)に顕著に表れている。〈光は神の影なり〉というような,新プラトン主義的・ヘルメス主義的思想が,けっして抽象に向かうことなく,触感によって神の存在を体験するような信仰の直接性が最大の特色となっている。《退行》と題する短詩などは,19世紀ロマン派詩人ワーズワースの有名な《霊魂不滅の賦》の先駆的業績と呼べる。先輩の宗教詩人J.ダンやG.ハーバートとは違った体質の,信仰の詩人であった。
形而上詩
執筆者:


ボーン
Thomas Vaughan
生没年:1622-66

イギリスの錬金術師。詩人のH.ボーンとは双生児の兄弟。パラケルススの思想に共鳴し,錬金術の目的を精神の向上と純化に置く考え方を示した。当時イギリスに上陸した薔薇(ばら)十字団に参加し,1652年には団の趣意書《友愛団の名声と告白》をフィラレテスEugenius Philalethesの筆名で出版したが,類似の筆名を用いていたケンブリッジのプラトン主義者H.モアとの間にいさかいを生じた。水銀を用いた錬金術実験中に有毒ガスを吸い,事故死。なお19世紀末には彼の子孫だという悪魔崇拝者ダイアナ・ボーンDiana Vaughanのカトリック改宗事件とその告白記が注目を集めたが,これはタクシルLeo Taxilという人物がカトリックを嘲笑する目的で捏造(ねつぞう)したまったく架空の人物であった。
執筆者:


ボーン
Sarah Vaughan
生没年:1924-90

アメリカの黒人歌手。1980年代前半の時点で女性ジャズ・ボーカルの最高峰と目される。ニューアークに生まれ,幼時から教会の聖歌隊で歌い,ピアノを学んだ。1943年,アマチュア・コンテストで歌ったことから,当時の人気歌手ビリー・エクスタインBilly Eckstineに見いだされ,そのバンドでピアニストを務めた。45年,ソロ歌手となり,急速に人気を得た。強い個性をもち,ジャズ的感覚に恵まれた歌手だが,年齢とともに円熟味を増し,独自の世界を築き上げた。
執筆者:

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百科事典マイペディア 「ボーン」の意味・わかりやすい解説

ボーン

米国のジャズ歌手。1940年代のジャズ界に登場し,モダン・ジャズ歌唱の発展に貢献した歌手の一人。1942年のアマチュア・コンテストの優勝を機に,アール・ハインズEarl Hines〔1903-1983〕の楽団でプロ歌手として出発。バップ期の先導者C.パーカー,D.ガレスピーらと共演し影響を受けた。1945年ソロ歌手となり《It's Magic》(1947年)がヒット,スキャットの技法や修飾を多用した歌唱法を得意とし,1950年代には最盛期を築いた。1970年代後半にはオスカー・ピーターソンOscar Peterson〔1925-2007〕と共演し,円熟した歌声と技法とで好評を得ている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボーン」の意味・わかりやすい解説

ボーン(Henry Vaughn)
ぼーん
Henry Vaughn
(1622―1695)

イギリスの詩人。ウェールズ出身で、ケルト的傾向が強く、いわゆる形而上派詩人(メタフィジカル・ポエット)の神秘主義的側面を代表する。オックスフォード大学を出て、ピューリタン革命では王党派に属したが、敗戦後田舎(いなか)に隠棲(いんせい)して医者になり、瞑想(めいそう)的な詩や散文を書いた。同じ形而上派の宗教詩人G・ハーバートに比べ、作品の完成度は低いが、神秘的恍惚(こうこつ)の表現では英詩史上まれにみる達成を示している。代表作は『火花散る火打ち石』二部(1650~1655)に収められ、ほかに詩と散文を集めた『アスクの白鳥』(1651)がある。

川崎寿彦


ボーン(Randolph Silliman Bourne)
ぼーん
Randolph Silliman Bourne
(1886―1918)

アメリカの評論家。巨大ビジネスの興隆と拡大しゆく貧民層という社会状況に生きて、ビジネス社会アメリカを激しく批判し、部分的にJ・デューイに共鳴しつつ教育改革を訴えて『教育と生活』(1917)その他を発表。惜しまれて若死にしたあとの『早すぎる論文集』(1919)には反戦思想が、親友V・W・ブルックスの編んだ『文芸急進派の歴史』(1920)には文芸批評が、若く激しく息づいている。オプンハイムJames Oppenheim(1882―1932)の『ボーンのために』は悲しく美しい追悼詩である。

[後藤昭次 2015年10月20日]


ボーン(Louis-Paul Boon)
ぼーん
Louis-Paul Boon
(1912―1979)

ベルギーフランドルの小説家。写実主義第一人者。その作品はペシミズムの色調が濃い。無産階級の台頭を描いた『近郊地域の胎動』(1941)、個人の社会的責任を強調したルポルタージュ『私の小さな闘争』(1946)などがある。彼の作品の頂点ともいえる『チャペルへの道』(1953)は、ベルギーにおける社会主義建設期のプロレタリア出身の一少女の成長を描いたもので、その強烈な写実、巧みな構成は秀逸。『続チャペルへの道』は『テル・ミューレンの夏』のタイトルで1956年に出る。『二人の妖怪(ようかい)』(1952)、『メヌエット』(1955)などの短編もある。シュルレアリスムの画家としても有名。

[近藤紀子]


ボーン(Sarah Vaughan)
ぼーん
Sarah Vaughan
(1924―1990)

アメリカの女性ジャズ歌手。ニュー・ジャージー州生まれ。1942年アポロ劇場のコンテストで入賞してアール・ハインズ楽団に加入。チャーリー・パーカーやデイジー・ガレスピーらと共演し、先輩ビリー・エクスタインとともにモダン・ジャズ歌手の草分けとなり、エクスタイン楽団を経て45年に独立。音程が正確で、驚異的な広い声域と豊かな声量をもち、ジャズ・ボーカルの女王的存在となった。

[青木 啓]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ボーン」の意味・わかりやすい解説

ボーン
Vaughan, Henry

[生]1621頃.ウェールズ,ランサントフライド
[没]1695.4.23. ウェールズ,ランサントフライド
イギリスの詩人。 J.ダンや G.ハーバートの影響を受け,宗教的形而上詩を書いた。かつてシリュール人が住んだといわれるウェールズの郷村を愛し,みずからシリュリスト Siluristと称した。オックスフォード大学出身の医師で,内乱には王党派の軍医として従軍。文筆活動はラテン詩文の翻訳から始め,『詩集』 Poems (1646) や『アスク川の白鳥』 Olor Iscanus (51) に収められた世俗的な詩を書いたのち,ある宗教的体験を転機として神秘的傾向を帯びるようになった。「ある夜わたしは永遠を見た」で始る「世界」 The Worldや,ワーズワスに影響を与えたといわれる「退行」 The Retreatなどの詩を含む宗教詩集『火花散る燧石』 Silex Scintillans (50,55) が代表作。

ボーン
Vaughan, Sarah Lois

[生]1924.3.27. ニュージャージー,ニューアーク
[没]1990.4.3. カリフォルニア,サンフェルナンドバレー
アメリカのジャズ歌手。アマチュア音楽家の娘として生れ,7歳でピアノ,12歳でオルガンを習い始め,教会の聖歌隊で歌う。 1942年アポロ・シアターのアマチュア・コンテストで優勝し,その後アール・ハインズ楽団で歌手兼第2ピアニストとしてプロ活動を開始する。 44年ビリー・エクスタイン楽団に参加し,D.ガレスピー,C.パーカーらに影響を受け,みずからの歌唱法を確立した。 45年にソロとして『イッツ・マジック』を発表。 50年代にはアメリカ,ヨーロッパで演奏ツアーを行い多くのファンを獲得,映画にも出演した。3オクターブもの音域をもち,最も歌唱力のあるジャズ歌手との定評を得た。

ボーン
Bourne, Geoffrey Howard

[生]1909.11.17. パース
[没]1988.7.19.
オーストラリア生れのアメリカの解剖学者。オックスフォード大学で学位を取得,母校およびロンドン大学に勤務したのち 1957年にアメリカに移住し,62年に帰化した。 57~62年エモリー大学解剖学教授,62年からアトランタの霊長類研究所所長。哺乳類の副腎を用いて,動物組織でビタミンCの存在を証明するための組織化学的技法を創始 (1933) 。のちに創傷の治癒機構および硬・軟組織における酵素の局在を研究した。主著"Structure and Function of Muscle" (62) ,"Biochemistry and Physiology of Bone" (56) 。

ボーン
Vaughan, Thomas

[生]1621頃.ウェールズ,ランサントフライド
[没]1666.2.27. オックスフォードシャー,オールベリー
イギリスの化学者,神秘家。 H.ボーンの双子の兄弟。新プラトン学派の H.モアとの論争で有名。錬金術に関する著作のほか,英語およびラテン語の詩も書いた。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「ボーン」の解説

ボーン Vaughn, Miles Walter

1892-1949 アメリカのジャーナリスト。
1915年UP通信に入社。大正13年から昭和8年まで東京に駐在。第二次大戦中は太平洋・アジア方面のUP従軍記者総監督。日本の敗戦とともに再来日し,アジア総支配人。22年UP副社長。昭和24年1月30日上田碩三(せきぞう)電通前社長らと東京湾で鴨猟中遭難死した。57歳。25年ボーン賞(のちボーン・上田記念国際記者賞)が設定された。ネブラスカ州出身。カンザス大卒。

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「ボーン」の解説

ボーン

3Dグラフィックのモデリングの技法のひとつ。手足の関節のように回転移動角度に制限をつけたリンク。

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367日誕生日大事典 「ボーン」の解説

ボーン

生年月日:1622年4月17日
イギリスの作家,錬金術学者
1666年没

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世界大百科事典(旧版)内のボーンの言及

【錬金術】より

…この傾向は真正な薔薇十字主義者J.V.アンドレーエにもみられ,彼に帰せられる《化学の結婚》は錬金術の奥義をそのまま物語化したものである。また詩人H.ボーンと兄弟であった錬金術研究者T.ボーンも詩による錬金術思想の理解と表現法を探究した。しかしその一方,錬金術を単なる詐術とみなした風刺家たちが錬金術師を痛烈に批判する戯曲を書いていた。…

※「ボーン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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