日本大百科全書(ニッポニカ) 「ポリカーボネート」の意味・わかりやすい解説
ポリカーボネート
ぽりかーぼねーと
polycarbonate
カーボネート結合(炭酸エステル結合ともいう)‐O‐R‐O‐CO‐を主鎖にもつ重合体(ポリマー)で、ポリエステルの一種。1956年にドイツのバイエル社のシュネルH.Schnellにより初めて合成された。実用化されているものは、ビスフェノールAのナトリウム塩とホスゲンから得られる、芳香族のポリカーボネートである。ホスゲンを用いないエステル交換法もあるが、日本ではホスゲン法が採用されている。無色ないし淡黄色透明の材料で、引張り強さ、曲げ強さ、耐衝撃性が大きく、その性質は金属材料に匹敵している。耐水性と耐酸性はよいが、耐アルカリ性は小さい。エンジニアリング・プラスチックの代表的なものとして成長を続けてきた。家電、電子通信、精密機器、自動車などの分野で構造材料、機能材料として広く使われている。最近ではコンパクトディスクの材質に使用されている。
[垣内 弘]