通草(読み)アケビ

デジタル大辞泉 「通草」の意味・読み・例文・類語

あけび【通草/木通】

アケビ科蔓性つるせいの落葉低木。山野に生え、葉は長楕円形の小葉が5枚手のひら状につく複葉。春、淡紫色雄花雌花とが咲く。秋、長楕円形で淡紫色の実がなり、熟すと裂け、果肉は甘く食べられる。木部を漢方で木通もくつうといい、薬用。蔓でかごを編む。近縁種ミツバアケビゴヨウアケビがある。 秋 花=春》「一夜さに棚で口あく―かな/一茶

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精選版 日本国語大辞典 「通草」の意味・読み・例文・類語

あけび【通草】

  1. 〘 名詞 〙
  2. アケビ科の落葉低木。本州、四国、九州の山野に生える。茎はつる性で、直径一・五センチメートルぐらい。葉は五小葉からなる掌状複葉で、小葉は細長い楕円形または倒卵形。春、新葉と共に淡紫色の花が総状に咲く。実は長さ八センチメートル内外の長卵形で、淡紫色。皮が厚く、熟すと縦に裂け、強い甘味がある。つるは、かご細工にするほか、木部には配糖体アケビンを含んで木通(もくつう)と呼ばれ、利尿、通経剤とされる。一般にアケビと呼ぶ植物はミツバアケビであることが多い。漢名、山女・野木瓜。あけびかずら。あけびづる。はんだつかずら。あけべ。あけぶ。《 季語・秋 》

▼あけびの花《 季語・春 》

  1. [初出の実例]「 山女也 阿介比」(出典:新撰字鏡(898‐901頃))
  2. 「ますらをが爪木にあけびさし添へて暮るれば帰る大原の里」(出典:山家集(12C後)下)
  3. アケビ、ミツバアケビ、両者の雑種であるゴヨウアケビを含めてアケビ属の植物の総称。
  4. 女陰をいう俗語

つう‐そう‥サウ【通草・&JISF8DD;草】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 植物「かみやつで(紙八手)」の異名。〔薬品手引草(1778)〕
  3. アケビの葉茎の名。アケビの漢名に当てるのは誤用。〔大和本草(1709)〕

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動植物名よみかた辞典 普及版 「通草」の解説

通草 (アケビ・アケビカツラ;アケブ;アケベ)

学名Akebia quinata
植物。アケビ科の落葉つる性低木,薬用植物

通草 (ツウソウ)

植物。ウコギ科の常緑小高木,園芸植物,薬用植物。カミヤツデの別称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の通草の言及

【アケビ】より

…本州,四国,九州,朝鮮半島,中国大陸に分布し,北アメリカ東部には帰化している。 アルカロイドは含まないが,漢方で木通(もくつう),通草(つうそう)とよばれる木部は,利尿剤,鎮痛剤として用いられる。乾燥した果実も卒中の予防薬として用いられる。…

※「通草」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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