日本大百科全書(ニッポニカ) 「ポーラ」の意味・わかりやすい解説
ポーラ
ぽーら
poral
本来のポーラは、モヘアの梳毛(そもう)糸に強撚(きょうねん)をかけ、平織に手ざわり堅く、さらっと織り上げたものである。ポーラは気孔のある織物という意味からもわかるように、夏の涼しい通気性のある服地として愛用されている。また、変化組織として、糸の撚(よ)り方向を順逆に変えたものを経(たて)糸に交互に配列した順逆ポーラ、異色の単糸を撚り合わせた三子(みこ)撚りを使った三杢(みつもく)ポーラなどがある。そしてスフ・絹で織ったものも、いずれも強撚糸を使い、本物のモヘアづかいのポーラの風合いに似せて、手ざわりを堅く仕上げしてある。この生地(きじ)をイギリスではフレスコfrescoとよんでいるが、これはアフリカ西海岸の地名からとったものである。
[角山幸洋]