第一次世界大戦中にドイツのスパイとして活躍した女性。マタハリ(マレーに特有な呼称で太陽とか曙光(しょこう)という意味)はインド舞踊のダンサーとしてデビューしたときからの芸名で、本名はマルガレータ・ゲールトライダ・ゼレ。オランダ人。天性の美貌(びぼう)とヌードに近い踊りで艶名(えんめい)をはせ、大戦前夜のパリで一世を風靡(ふうび)した。フランスの貴族社会、外務省、軍当局、各国大使館首脳らの共通の愛人として、パリの上流社会に自由に出入りできたので、大戦が始まるや、ドイツにねらわれ、そのスパイ網のなかに組み込まれた。1917年2月フランス当局に逮捕され、同年10月銃殺された。彼女のスパイ活動は素人(しろうと)の域を出なかったのに、軍法会議が死刑の判決を下したのは、同じ年(1917)フランス陸軍内で暴動があり、国民の目をそらす必要からという。
[林 茂夫]
『M・グリッランディ著、秋本典子訳『マタハリ』(1986・中央公論社)』
美貌の女スパイとして知られるオランダのダンサー。本名はツェレMargaretha Geertruida Zelle。レーウワルデンに生まれ,オランダ軍将校マクレオドの妻となって,ボルネオ,スマトラ,ジャワを転々とした。帰欧後パリの高級娼館で頭角を現してから,マタ・ハリ(マレー語で〈太陽〉の意という)の名でインド舞踊のダンサーとしてデビューし,第1次大戦前夜のパリで一世を風靡した。大戦中モンテサック侯爵と名のる元高等詐欺師と組んでドイツ側のスパイとして活動した容疑で逮捕され,死刑を宣告されて,1917年10月15日未明バンセンヌで銃殺された。
執筆者:種村 季弘
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
1876 - 1917.10.15
オランダのダンサー。
レーウワルデン生まれ。
本名マルガレータ・ゲールトライダ・ゼレ〈Margaretha Geertruida Zelle〉。
第一次世界大戦中にドイツの女スパイとして活躍したことで知られる。オランダ軍将校のマクレオドの妻としてボルネオ、ジャワなどを転々とした後、マタハリの芸名でインド舞踊のダンサーとしてデビューし、第一次世界大戦前夜のパリで一世を風靡する。マタハリとはマレー語で太陽を意味する。パリの上流社会に自由に出入りできたため、ドイツ軍のスパイ網に組み込まれ、大戦中の1917年2月にフランス政府に逮捕され、同年10月15日バンセンヌで銃殺された。
出典 日外アソシエーツ「20世紀西洋人名事典」(1995年刊)20世紀西洋人名事典について 情報
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