マニトバ(読み)まにとば(英語表記)Manitoba

翻訳|Manitoba

日本大百科全書(ニッポニカ) 「マニトバ」の意味・わかりやすい解説

マニトバ
まにとば
Manitoba

カナダ中央部の州、平原三州の一つ。面積55万1937.87平方キロメートル、人口111万9583(2001)。州都ウィニペグオンタリオ州とサスカチェワン州に挟まれ、プレーリー東端を占める。土地は大部分低平で、ウィニペグ湖、シーダー湖、マニトバ湖など大小数多くの氷河湖がある。主要河川はネルソン川、チャーチル川、シール川などで、すべてハドソン湾に注ぐ。気候は大陸性であり、平均気温は1月で零下20~零下30℃、7月で20~23℃、年降水量は500ミリメートル前後である。北東部のハドソン湾に臨む地域は基盤岩が露出した不毛の地だが、中南部のレッド川流域、ウィニペグ湖とウィニペゴシス湖の南縁地域は湖成層に覆われた農業地帯である。とくにカナダ・プレーリーの春小麦地帯の中心地で、ここでとれる小麦は良質のパン用小麦として有名である。近年、小麦以外の穀物テンサイ、野菜、酪農などが取り入れられ、多様化の傾向にある。南西部は石油が注目されているほか、金、銀、鉄などの鉱物資源も豊富だが、大部分は未開発である。中央部にはウィニペグ湖などの大きな湖が南北に延びているため、大陸横断鉄道は州南部に集中し、その要衝地であるウィニペグは西部諸州への門戸であり、小麦の世界的集散都市として知られる。

 17世紀にハドソン湾が探検され、18世紀末にフランス人が南部を探検した。現在の人口構成はイギリス系が多く、ついでウクライナ系、ドイツ系が目だつ。1878~86年の大陸横断鉄道の開通で急速に発展し、カナダ第一の農業州となる。マニトバとはインディアンのことばで「プレーリーの湖」という意味である。1870年に五番目の州としてカナダ連邦に加入した。

[山下脩二]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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