マルゼルブ(読み)まるぜるぶ(英語表記)Chrétien-Guillaume de Lamoignon de Malesherbes

日本大百科全書(ニッポニカ) 「マルゼルブ」の意味・わかりやすい解説

マルゼルブ
まるぜるぶ
Chrétien-Guillaume de Lamoignon de Malesherbes
(1721―1794)

フランスの政治家。革命前の旧制度下の法服貴族名門に生まれる。多くの官職歴任、図書検閲局長のときルソー百科全書派の言論活動に対し理解を示す。1774年チュルゴーとともに招かれ内相。2年後辞任したが、1787年ふたたび法相として司法改革を断行した。革命の初期に亡命したが、1792年7月、立法議会末期の激動期に国王ルイ16世に仕えるべくあえて帰国し、国民公会における国王裁判にあたっても、危険を顧みず進んでルイ16世の弁護の衝にあたった。「恐怖政治」のもとで自分が反革命容疑者として逮捕され、1794年4月ギロチンの犠牲となった。

[樋口謹一]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マルゼルブ」の意味・わかりやすい解説

マルゼルブ
Malesherbes, Chrétien-Guillaume de Lamoignon de

[生]1721.12.6. パリ
[没]1794.4.22. パリ
フランスの政治家。法曹界の名門出身で父は大法官。 1744年パリ高等法院評定官,50年租税院院長ならびに出版業監督長官となる。開明派官僚として『百科全書』の刊行を支援。のち国璽尚書となり,88年5月,高等法院の権限収奪を目的とする6つの王令を作成,公布したが,この改革 (ラモアニヨンの司法改革) を契機に貴族の反乱が激化しフランス革命への導火線となった。革命勃発後は王政維持に尽力したが,93年 12月反革命容疑者として逮捕され,翌年娘や孫たちとともに処刑された。

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