日本大百科全書(ニッポニカ) 「マルトース」の意味・わかりやすい解説 マルトースまるとーすmaltose D-グルコース2分子がα(アルファ)-1・4結合した二糖で、デンプン溶液に麦芽maltあるいは麦芽から抽出した糖化酵素(アミラーゼ)を作用させると生成するところから麦芽糖ともよばれる。還元性を示し、比較的強い甘味をもち、水によく溶ける。デンプンの構成単位で、α-D-グルコシダーゼ(マルターゼ)によって加水分解され、グルコースになる。動物ではよく消化吸収される。通常、β(ベータ)型の一水化物として結晶し、変旋光を示す。[村松 喬][参照項目] | デンプン マルトースの構造 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マルトース」の意味・わかりやすい解説 マルトースmaltose 化学式 C12H22O11 。麦芽糖ともいう。グルコース2分子から成る還元性二糖類。麦芽中に含まれる酵素アミラーゼでデンプンを加水分解して生じる糖から得られ,通常β体の1水和物として結晶する。針状晶,融点 102~103℃。水に可溶,アルコールに難溶。甘味をもつ。自然界に広く存在し,人体に対しても同化力が強く,滋養糖として用いられる。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報