マロニエ(読み)まろにえ(英語表記)marronier フランス語

日本大百科全書(ニッポニカ) 「マロニエ」の意味・わかりやすい解説

マロニエ
まろにえ
marronier フランス語
horse chestnut 英語
[学] Aesculus hippocastanum L.

トチノキ科(APG分類:ムクロジ科)の落葉高木。バルカン半島原産であるが、現在は世界中で植栽されている。高さは約25メートル。日本のトチノキに似ているが、果実の表面に刺(とげ)があるので区別され、セイヨウトチノキともよばれる。葉は大形の掌状葉で対生する。5月ころ、枝先に円錐(えんすい)花序をつけ、トチノキより大形で白地に赤みを帯びた花を多数開く。花を観賞する街路樹としてよく用いられパリの並木はとくに有名である。品種としては重弁花、斑(ふ)入り葉、切れ込み葉、ピラミッド樹形、枝垂(しだれ)樹形などがある。ベニバナトチノキA. × carnea Hayneは、マロニエと北アメリカ産のアカバナアメリカトチノキA. pavia L.の雑種で、1820年にみいだされた。

[伊藤浩司 2020年9月17日]

文化史

種小名や英名にみられるウマグリの名は、ヨーロッパに導入される以前ペルシアで、息切れしたウマの薬として使っていたから、あるいは若い枝の葉痕(ようこん)が馬蹄(ばてい)形であるからといわれる。異説もあるが、1576年にウィーン種子がもたらされ、ヨーロッパに広がったものである。

[湯浅浩史 2020年9月17日]

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マロニエ

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