日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミズトガリネズミ」の意味・わかりやすい解説
ミズトガリネズミ
みずとがりねずみ / 水尖鼠
Eurasian water shrew
[学] Neomys fodiens
哺乳(ほにゅう)綱食虫目トガリネズミ科の動物。水生適応した種で、ヨーロッパからバイカル湖までと、シベリア沿海地方、樺太(からふと)(サハリン)に分布する。外形はカワネズミにきわめて類似し、手足の指の縁には水かきとなる剛毛が生え、尾の下面にはキール(竜骨)状の長毛が列生している。頭胴長7~9.6センチメートル、尾長4.7~7.7センチメートルで、耳介は毛に埋まる。毛は柔らかく密で、背面は灰黒色、下面は白い。歯は先が赤染し、歯式は
で合計30本。水辺にすみ、潜水が巧みで、水生昆虫、カニ、エビ、小魚を食べる。水辺の岸に巣をつくり、春から秋に3~8子を産む。
[阿部 永]