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水生昆虫 すいせいこんちゅうaquatic insect

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

水生昆虫
すいせいこんちゅう
aquatic insect

一生のある時期または全部を水中で生活する昆虫カワゲラ目,カゲロウ目,トンボ目,トビケラ目の昆虫,および半翅目,鞘翅目,鱗翅目 (キオビミズメイガなど) の昆虫の一部がこれに含まれる。いずれも陸生昆虫が2次的に水中に入り,水中生活に適応するようになったものである。このためカワゲラ目,カゲロウ目,トンボ目,トビケラ目などの幼虫気管鰓をもつほかは水中生活型の呼吸器官をそなえず,水面で摂取した空気を利用している。

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百科事典マイペディアの解説

水生昆虫【すいせいこんちゅう】

水中ないしは水面で生活する昆虫の総称。グループや種によって,水との関わり方はさまざま。トンボ,トビケラ類などは幼虫時代を,半翅(はんし)類の一部(タガメなど)は一生を水生昆虫として過ごす。

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世界大百科事典 第2版の解説

すいせいこんちゅう【水生昆虫】

水界を生活の場とする昆虫を指し,多くの種が淡水性のため川や池に分布するものをいう場合が多い。大部分の種類は幼虫期を水の中で過ごし,一部のものはさなぎも水中で見られるが,不完全変態の半翅目に属するタガメやミズカマキリ,甲虫目のガムシやゲンゴロウなどは,幼虫と同様成虫期間も水中で生活し一生のほとんどを同じ環境で過ごしている。人の目につくのは渓流の石についているカゲロウの幼虫などとヤゴ(トンボの幼虫)で,魚の餌になっているものも多く,川や池の生態系では大部分が被捕食動物として大きな役割を果たしている。

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大辞林 第三版の解説

すいせいこんちゅう【水生昆虫】

水中で生活する昆虫の総称。カゲロウ・トンボ・カなど幼虫・蛹さなぎの時期だけ水中で過ごすものと、ゲンゴロウ・ミズスマシのように一生を水中・水面で生活するものとがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

水生昆虫
すいせいこんちゅう
aquatic insects

昆虫のなかで水中で生活するものの総称。昆虫類はもともと系統的には陸生であって、生活のため二次的に水中に侵入したものと考えられるが、比較的原始的な有翅(ゆうし)昆虫であるカゲロウやトンボの幼虫も水生である。水生昆虫には一生の間水中で生活し、移動あるいは越冬のためにのみ水を離れるものと、幼虫の時期または幼虫と蛹(さなぎ)の時期を水中で過ごし、成虫になるときに水を離れるものがある。体形や呼吸の方法などは、水中の生活環境への適応の方法や程度によって類によりかなり違っている。たとえば、甲虫類のなかでもゲンゴロウは上ばねと腹部の間に空気を蓄え、ときどき水面に浮上し、幼虫は尾端の呼吸管を水面に出して呼吸するが、ミズスマシはおもに水面で生活し、幼虫は体の両側に気管鰓(さい)をもち、水中で生活している。また、ガムシは体下面や触角先端部に微毛を密生し、空気の薄い層をつくり、これを通じて呼吸するが、肢(あし)は細くてゲンゴロウ、ミズスマシのように平たく櫂(かい)のようにはならない。ドロムシも腹面に微毛を密生しているが肢は細くてつめが発達し、水底の石などに付着し歩行するのに適している。甲虫ではほかにコガシラミズムシの幼虫やドロムシの一部の幼虫が気管鰓で呼吸している。このほか、水中に多い昆虫には半翅類があり、成・幼虫とも体表の微毛部に空気を蓄え、水底や砂中などにいる円板状のナベブタムシ類、水面下を腹面を上にして泳いでいるマツモムシ類、尾端に長い呼吸管をもち水上から呼吸するミズカマキリやタイコウチの仲間、稚魚などを襲う大形で獰猛(どうもう)なタガメ、雌が雄の背面に卵を産み付けるコオイムシ、夏の夜に灯火にくるコミズムシ(俗にフウセンムシという)の類などがある。
 成虫が陸上で生活するものにはカゲロウ、トンボのほか、カワゲラ、トビケラ、脈翅類の一部(ヘビトンボなど)、甲虫(ホタル、ネクイハムシなど)、そのほかにカ、ブユ、アブなどの双翅類などが含まれ、多くは気管鰓で呼吸するが、皮膚呼吸のもの、呼吸管をもつものもある。ブユの蛹(さなぎ)は気門部が伸びて糸状のえらになる。なお、アメンボ類やミズトビムシなども水生昆虫に含めることがあるが、これらは水面上のみで暮らしており、半水生というべきであろう。[中根猛彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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